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『コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~』第2話「『黒い霧』の中で」・感想

 僕の心に たった一つの 小さな夢がありました
 
   ***

 “オバケ”の少年・風郎太。神化41年、彼は謎の蟲を助け、そして超人課の面々と出会った。国会を覆う黒い霧の解決したことにより、彼は超人課に参入する。それから年月が流れ神化48年、風郎太の前に女性の超人が現れ憎しみをぶつけてくる・・・。


 第1話から引き続き、神化41年での物語と、その後の時間軸で時を経てからのさらなる顛末が語られる。 
 神化41年で風郎太がタルタロス蟲人から助けたと思っていた謎の蟲=カムぺ、実は彼女こそタルタロス蟲人の女王だった。神化48年になって戦える身体に成長した彼女は風郎太に復讐を果たすべく彼の前に姿を現す。
 彼女はかつて同じ子どもの風郎太を「友達」だと思い、それを裏切られたからこそ彼に憎しみを抱いた。だが爾朗に諭されたように、その復讐は犠牲になった者達の命に釣り合うものではない。そして今、大人に成長した彼女と子どものままの風郎太は、もう遠く離れた存在だった・・・。
 ここには、人類/タルタロス蟲人の種族間の対立と、大人/子どもの対立、二重の意味での「別種」の問題がある。タルタロス蟲人は人類より先に地球の支配者であり、その襲来は正当性のある復権なのかもしれないという考えが示されるが、科学者は「今はただの侵略者」だと断じる。カムぺと風郎太は、かつては同じ子どもだったがそれは今の確執を帳消しにするには至らない。
 ただ単にコミュニケーションが成り立たないのではなく、和解の糸口やかつて通じ合った過去があるにもかかわらず自分達からその可能性を捨て去ってしまうという悲哀。 
 かつて現実の時事に即して異なる存在・種族との対立問題が描かれたテレビ特撮・アニメ黎明期の時代/昭和40年代を、神化40年代として本作は誠実に踏襲している(※1)。

 そしてもう一つ、善悪の対立についての問題。 
 かつて風郎太が憧れた、正しい者が悪い者を成敗する明快なヒロイズム。神化48年ではその構図は崩壊している。かつて自分を超人課に引き入れてくれた爾朗はアウトロー化し、自分達が彼を追わなくてはならない。そして風郎太自身にも、自らが復讐されるべき悪と糾弾される展開が降りかかる。

 「いつからこんなややこしいことになっちまったんだ!? いいもんとわるいもんの区別がつかない・・・」

 風郎太はそう嘆くが、そもそも神化41年の時から、善悪の価値観は一筋縄ではいかず状況は混迷していた。風郎太自身が「いいこと」の名の下に何万のタルタロス蟲人を虐殺してしまったように。彼が自らの所業を知らず、善と悪の間にはっきりとした境界があることを夢見ていただけ。
 しかし爾朗は、風郎太の善悪への幻想を否定しない。むしろそこに応えてみせることで初心を忘れず自分達を律することができると、風郎太を超人課に迎え入れた。そして神化48年の爾朗もまた、風郎太に「お前はそのままでいいんだよ」と言葉をかける。
 正当性を失わせたうえで、それでも変わらないもの、「いいこと」を信じ憧れる心を是認する。
 ロジカルに話を構築しつつも最後にはエモーショナルな落としどころに持っていってくれるのが、本作の温かいところだと思う。その補助線として各話の情感あふれる懐メロ挿入歌があるのも納得(※2)。  

 そして、第2話の構造は第1話と対になっている。
 かつての勧善懲悪の裏にあった残酷な真実を知らされる風郎太と、残酷だと思っていた行いに実は温情による見逃しがあったと知る輝子。永遠にそのままの少年と、時を経て大人になっていく少女・・・。
 続く第3話ではどう反転されるのか、そして本作のこのフォーマットが最終的にどこに行き着くのか、俄然楽しみになってきた。



 ※1 例えば、『ウルトラマン』(1966-67)の「ノンマルトの使者」や、『海のトリトン』(1972)の最終回など。

 ※2 今回の挿入歌「空に星があるように」が神化41年と48年両方の時間軸が流れされる使い方自体、時を経ても変わらないものというテーマを暗に示しているように思う。また、どちらも誰かにとっての残酷な真実が取り沙汰される場面。
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テーマ:アニメ
ジャンル:アニメ・コミック

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Re: No title

コメントありがとうございます。

> 「風郎太にはふさわしい罰だ」と思いながらも「いつか自分も風郎太のように罰を受けなきゃいけない日が来るのかな?」と思いながらラストシーンを観ていました。

これは、視聴者の加齢(=「子ども」から遠ざかる)とともに感慨が増してくるラストだと思うんですよね。


> 他のコンレボ好きの人にも質問している事なのですが、江楠さんはカムぺと再会した風郎太になんて言うと思いますか?

ううん、すごく難しい質問ですが・・・
やはり爾朗と同じように「そのままでいてくれ」と言っちゃうと思います。
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