『英国王のスピーチ』

2011.11.10 21:56|映画感想
 
 ・Stand Alone(Complex)
 英国王のスピーチ
 2010.イギリス
 監督:トム・フーパー 脚本:デビッド・サイドラー
 キャスト:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーターほか

英国王1


 本作を観て、まず「主人公が愛する人や友の助けを借りて己のコンプレックスを克服し、一世一代の大勝負に臨む」という、どこの少年マンガかと見紛うようなアツいストーリーとして良く出来てるなーと思い。

 また、コリン・ファース演じるジョージ六世が吃音で度々言葉に詰まるシーンは、「うわあ、自分にも経験あるな~」と身にしみて共感させられてしまいました。
 そして、近代においての「個(人)」の在り様? みたいなモノについて、結構考えさせられました。

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tag:英国王のスピーチ

『仮面ライダークウガ』

2011.11.10 19:23|特撮
 
 ・平成ライダークロニクル① a New Hero Rising. 
 仮面ライダークウガ
 
仮面ライダークウガ 立ち姿仮面ライダークウガ 紋章

 2000.テレビ朝日
 原作/石ノ森章太郎 監督/石田秀範ほか シリーズ構成/荒川稔久 製作指揮・プロデュース/高寺成紀
 主演・五代雄介役/オダギリジョー



 ♪空っぽの星 時代をゼロから始めよう

 そんな歌詞のOP曲で始まる、平成ライダーシリーズ第一弾。私が初めて「ヒーロー」を意識した、永遠の想い出の一作。


 時はミレニアム、異形の姿と力を備えた殺戮集団・グロンギ族が永い封印から甦った! かつて彼らを封印した古代戦士の変身ベルトを受け継いだのは、旅と皆の笑顔が大好きな心優しき青年・五代雄介。人々をグロンギの殺戮ゲーム〈ゲゲル〉から守るため、彼は仮面ライダークウガとなって戦うのだ!


 『クウガ』を観た人がまず驚くのは、そのあまりに緻密な設定とリアリティだろう。
 もし現実に仮面ライダーと怪人が存在したら、警察はどうする? という『平成ガメラ』ばりのリアルシミュレーションのもとに『クウガ』の作品世界は構築されている。

 『仮面ライダークウガ』では、ヒーローもの特有のお約束・ご都合主義展開は極力排されるか、現実的なエクスキューズが加えられている。
 クウガは最低限のお約束として「変身!」とは叫ぶものの、変身の最中に怪人に邪魔されたりする。いちいち「ライダーキック!」などとは叫ばず、戦闘中の会話もない、必死のリアルファイトスタイルで戦う。
 本作での怪人が毎回一体ずつしか登場しないのは、彼らの行う殺戮ゲームが、一人ずつ順番に人間社会をフィールドにターゲットの人間を刈っていくルールだから。
 怪人が出現すれば、「当然」警察が出動して、時にクウガは彼らと一緒にされて拳銃で撃たれる。
 そうして一つ一つリアリティを積み上げていく。

 そしてクウガは、戦況に応じて姿と武器を変える四つの基本フォーム(形態)と弱体化時の白のフォームを備えている。物語後半では各々のフォームの強化版を獲得し、そのまた上をいく最強フォーム、そして禁断の究極フォームの計11種類のフォームが設定されている。
 早くも異常な種類の多さだが、クウガが各フォームを手に入れ使いこなしていく過程が説得力を持ったエピソードで語られていくために、視聴者が混乱することはない。

 怪人側のグロンギ族は、社会からはクウガとともに“未確認生命体”として認識されている。
 彼らは一人一人に異様な外見の怪人体と多種多様な衣装に身を包む人間体があり、集団内には何層ものヒエラルキーが存在し、いくつもの軋轢を生んでいる・・・といった複雑な様相を呈している。
 さらに彼らの使う古代の言葉と文字はこの作品のためだけに作られた創作言語であり、放映当時は訳字幕が付くこともなく普通にグロンギ語で会話が成されるという、子ども向け番組としては異例の事態だった。
 しかし秀逸な構図と非言語演出でそこは補完されており、何より人間体を演じる役者陣が生み出す強烈な個性が、皆残虐で感情移入の余地がないはずのグロンギのキャラクターを、魅力的といって差し支えないレベルにまで押し上げている。(『ダークナイト』のジョーカーがバリエーション豊かに何十人も登場すると想像してください)

 そして『クウガ』の目玉ともいうべきクウガと警察の協力体制。
 クウガ/五代は相棒の一条刑事を介した警察の支援を受けてグロンギと戦う。基本的に二話完結の作りで、毎回登場するグロンギの特性と彼らの仕掛けるゲゲルのルールは何か、遺された古代文字にはどんな戦いのヒントがあるのか、警察は精一杯の戦力でどのようにクウガを支援しグロンギを追い詰めるのか、クウガはどのフォームでどうやって勝つのか、そして次なるグロンギはどんなクウガ対抗策を講じてくるのか―――そうした「戦術のやりとり」が克明に描かれる。

 バケモノに対して普通の刑事達が圧倒的彼我兵力差を結束と知略でカバーして立ち向かう、という構図は非常に燃えるものがある。漫画だと、松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』や岩見均『寄生獣』がそうですね。

 このように、いわゆる「設定厨」が涙を流して喜ぶようなリアルな設定の凝り様なのだ。だが、ここまで「仮面ライダーもの」としてのリアリティを高めているにもかかわらず、他の平成ライダー作品と比べると、枠30分のうち本作の戦闘シーンは実はさほど長くない。


 作中ではグロンギとの戦いと同等かそれ以上の時間を割いて、五代雄介を中心とした人と人の交流が描かれる。

 本来はただの旅する好青年でしかない五代はしかし、「皆の笑顔を守りたい」その一心でグロンギと戦い続ける。
(五代の言うことが綺麗事ばかりだという言葉に対して)「綺麗事だよ。だって、綺麗事が一番良いんだもん。」
「この雨だってきっと止むよ。そしたら青空になる。今も雨を降らせてる雲の向こうには、どこまでも青い空が広がっているんだ!」
見ててください。・・・俺の、変身。

 そして彼の周りの人々―――有能だが人の心の機微には疎い一条刑事、古代文字解読を務める五代の幼馴染・桜子、五代が普段働くカフェの陽気な店主、対グロンギ兵器を開発するシングルマザーの科学者、五代のかつての恩師、etc、etc・・・。
 彼らはクウガではなく人間としての五代を通じて繋がり合う。グロンギとの過酷な戦いので心身を疲弊させていっても、温かな絆を育んで、穏やかな心を保ち続ける。その対話・交流もまた、いやそれこそがグロンギ/暴力との真の戦いであるかのように。(ちなみに「怪人側との対話」のテーマは四作目の『555(ファイズ)』に持ち越される)


 その一方で、グロンギへの決定的戦力であるクウガとして結局は一人で戦い続けねばならない五代は、次第に強さを増すグロンギに対抗して自身も強化を重ね、代償としてその身体を人間離れしたモノへと変えていく。
 
そしてどれだけ倒してもグロンギは次から次へと現れ、都会の最中で、その殺戮規模はどんどん拡大していく。(終盤のゲゲルでは一人のグロンギが何百人単位の犠牲者を出す)。
 あるエピソードでは、妊娠中の女性が連日のグロンギ被害の情報で精神的に追い詰められ、ついに倒れてしまう。彼女は言う、こんないつだれが殺されるかも分からない世の中では怖くて子どもを産めない、と。
 五代の周りの人間にも、縁の人をグロンギに殺されてしまう者が。
 世の人々は恐怖と不安で心を荒ませていく。
 
 ラスト、一夜で3万人超を虐殺してみせた最強のグロンギとの死闘の果てに、一条刑事だけが見た、クウガ/五代雄介の素顔とは―――。

 『仮面ライダークウガ』。
 この作品が一年かけて描いたのは、必死の、血を吐くような、心からの、暴力の否定と平和への祈り。そして孤独な戦士への鎮魂だ。
 新世紀の仮面ライダーはここから始まった。


 だらだら語ってきたけど、実はED曲『青空になる』のサビが全てだったり。



 ♪ 君を連れて行こう 悲しみのない未来まで
  君がくれた笑顔だけ ポケットにしまって
  僕は・・・ 青空になる
 


Yahoo!映画での元のレビュー

テーマ:特撮・戦隊・ヒーロー
ジャンル:映画

tag:仮面ライダークウガ

平成仮面ライダークロニクル

2011.11.10 18:53|特撮
 この「特撮」カテゴリでは、主に平成仮面ライダーシリーズを一作ずつ紹介・考察していく予定です。たまに他の特撮作品について書くかも。
 
平成ライダー
全員分揃ってる画像が見つからん・・・。

 2000年の『仮面ライダークウガ』から、2011年現在放送中の『仮面ライダーフォーゼ』まで、計13作続いてきた特撮ヒーローシリーズ。
 厳密にはそれ以前の『仮面ライダーブラックRX』『ZO』『J』も入るんですが、『クウガ』までは一旦シリーズは途切れているので、まあ『クウガ』からってことで。

 平成ライダー=私の少年時代といっても過言ではありません。小学生の頃、一作目『クウガ』にドはまりして、六作目『響鬼』まではずっと熱心に観て、一旦は遠ざかったものの10作目『ディケイド』からまた継続して観るようになりました。

 平成ライダーシリーズは、一作ごとに凝った設定と明確なテーマを掲げて一年間の物語を紡ぎ、子どもだけでなくパパママも取り込んで幅広い年齢層の人気に応え、人類の平和と日曜朝の30分枠を守って今日まで続いてきました。
 なにげにコレ、すごいことですよ。

 その11年の歴史は、振り返れば如実に時代を反映しています。9.11、民族問題、正義、経済破綻、コミュニケーション論、オリジナルとコピー、今あるエンタメに先行して全てがここにある。
 その時代性を一作ごとに考証していく・・・つもりは特になく、私の平成ライダーへの率直な感想と思い出をだらだらと書き散らしていくだけです。

 一作目の『クウガ』から始めて、とりあえず六作目『響鬼』までは必ず書ききるつもりです。

 平成ライダーの時代論を求める方は、宇野常寛さんの著作『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』などをどうぞ。今のところ、平成ライダーを時代と絡めてガッツリ語った評論書はこれくらいです。(別に早川書房の回し者じゃないですよ)
 ただ、平成ライダーを時代を語るガジェットとして扱い過ぎているきらいがあるので、ファンとしては色々文句もありますが。

 まあともかく、私的平成ライダークロニクル、始まり始まり・・・。
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プロフィール

江楠

Author:江楠
 
東海在住。 

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