最近観た映画②
2012.07.09 23:47|映画簡易感想|
また「観たけどレビューできていない映画」が溜まってきて、感想を忘れないうちに簡単にでも書いておこうと。
いずれまた各作品レビューにします。・・・つって前の記事の映画作品もまだレビューにできてないんですが。
『スーパーマリオ』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』『トロピックサンダー』『婚前特急』『仮面ライダー×仮面ライダーフォーゼ&オーズ』『ももへの手紙』の雑感です。
いずれまた各作品レビューにします。・・・つって前の記事の映画作品もまだレビューにできてないんですが。
『スーパーマリオ』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』『トロピックサンダー』『婚前特急』『仮面ライダー×仮面ライダーフォーゼ&オーズ』『ももへの手紙』の雑感です。
***
・『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』('93)
ご存じ「スーパーマリオ」を原作としたアメリカ(!?)の実写(!?)映画。
ニューヨークで配管工を営むマリオ(メタボ中年)とルイージ(童貞イケメン)。ルイージは化石発掘に心血を注ぐデイジーと出逢い恋に落ちるが、彼女は謎の地下世界へと攫われてしまう。マリオ&ルイージ兄弟が乗り込んだそこは、クッパの支配する恐竜帝国だった・・・。
あらすじの時点で色々とツッコミが止まらないと思いますが、本編はその百倍ツッコミが止まりません。任天堂が直接制作に関わっていないためか、原作ゲームを完全に監督の好き放題のエンタメムービーに魔改造しており、一映画作品として純粋に面白い。それでいて原作の小ネタ、オマージュにあふれていて、どう様変わりしていても確かにこれは「スーパーマリオ」だ、と納得させられる。
二人が「あの衣装」になってぴょーんと飛び出した瞬間なんか、普通に感動しちゃった。
・『BLOOD THE LAST VAMPIRE』('00)
時はベトナム戦争中、日本は横田基地。
人を襲う吸血鬼〝翼手”、ソレを狩る者〝小夜/SAYA”。
戦争と日常の狭間を斬り裂いて、人ならぬ少女は何を見るか。
『BLOOD-C』の前に観たかったけれど、レンタル・中古ショップを回ってようやく探し当てたのは映画観賞後。
観てなるほど、『BLOOD-C』が本作のオマージュ要素もかなり含んでいたことに気づく。地下鉄とか模造刀とか学校潜入とか。
キャラクターもストーリーも開示される情報は最小限に済まされ、ただひたすら血生臭いアクションが進められる。この説明不足感は秀逸だ。ここから『BLOOD』シリーズが広がっていったの分かる。創作に携わる人が観たら、ここに自分なりの物語やテーマを補足させずにはいられなくなるであろう、まさに〝原石”という感じ。
もっと続け、『BLOOD』。
・『トロピックサンダー/史上最低の作戦』('08)
戦争映画を撮るにあたって、出演スターの足並みが揃わないことに業を煮やした監督。役者達をジャングルに放り込んで追い詰めリアルな演技をカメラに収めようとするが、そこには本物の戦場が待っていた・・・。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々。
そんなら限界まで踊り狂ってやんよと言わんばかりに、ハリウッドへの強烈な皮肉と自虐ネタで突き進み、しかし最後にはパロディの域を超えてこれぞ映画というべきカタルシスの釣瓶打ちへ。
こういう自省的な映画が傑作になってるうちはハリウッドは大丈夫だと思う。
・『婚前特急』('11)
OLの池下チエは、親友の結婚を機に、五人の彼氏を「査定」にかけて結婚相手を見定めることに。しかし、一番ランク下の男に別れを告げると「そもそも付き合ってない」と予想外にして痛恨の返事が。憤慨したチエは、その男に復讐しようとするが・・・。
もー、笑った笑った。
何だぁ、日本でも正道のコメディ映画やれるんじゃん。しかもこれは日本ならではの恋愛・結婚問題をからめたコメディ。
兎に角、主演の吉高由里子と浜野謙太の掛け合いがイイ。いや、あの二人が並んでいるだけで笑えてくる。
最後の一室での二人の取っ組み合い、そして「壁破り」で腹抱えて笑い転げた。「フヒャヒャヒャヒャ!」って声あげて。
これは本当に劇場で観たかったなあ、ちくしょう。
続編があるなら、吉高が浜野と結婚後、十人の浮気相手を作ってまたモメる感じで。
しかし、最近「人と人のエゴむき出しのどうにもならない争い」を観るのがたまらなく好きになっている自分に気づいてちょっと引く。
どこぞの鬼畜神父の嗜好がうつったかな?w
・『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOIVE大戦 MEGAMAX』('11)
最新作の仮面ライダーと前作のライダーが共演する映画シリーズ「MOVIE大戦」の三作目。
今作では、フォーゼとオーズに加えて前々作の仮面ライダーW、昭和の仮面ライダー1号~ストロンガーの〝栄光の七人ライダー”も参戦。さらに、40年先の未来からやってきた仮面ライダー、女子高生ライダーまで登場して、まさにMEGA盛りのライダー集合映画。
監督は、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』や『仮面ライダーW AtoZ 運命のガイメモリ』の坂本浩一。
濃厚な内容ながらも、あくまでもフォーゼとオーズのW主演という軸は外していない。前作オーズの最終回後の後日談と、最新作フォーゼの主人公・弦太郎のウブな恋物語。そして両者の世界が交わったクロスオーバーストーリー。
ラスボスとの最終決戦に臨むのはフォーゼとオーズのみで、Wや昭和ライダー達は彼らを援護し、雑魚兵力の露払いに努める。
その戦いの中で、各ライダーの持ち味を魅せた戦闘を専用主題歌に乗せて短時間ながらもはっきりと描く。特に、最新の撮影技術で甦った昭和ライダー達の必殺技には鳥肌。
坂本監督の特撮シリーズへのオマージュ、CG技術と身体性の絶妙なバランス感覚を宿したアクション演出は、『ガイアメモリ』の時よりもさらに洗練されているように感じた。あと、脚フェチっぷりもw(ていうか今作で「脇腹」という新たなフェチが発覚ww)
仮面ライダーWが早くも先輩ライダーの風格を備えはじめ、後輩のオーズとフォーゼを後押しして戦う模様に、改めて、2010年代の新たな仮面ライダーの系譜が始まっていることに感動。
本作で、40年前の過去からまた40年先の未来まで一気に拡張され、ライダーからライダーへと繋がっていく仮面ライダー世界の時空。そう、全てを破壊せずとも、全てを繋ぐことはできる。
自分はこういうライダー集合映画をずっと求めていた。
・『ももへの手紙』('12)
瀬戸内海の港町へ引っ越してきた、父を亡くした母と娘。娘のももは、ある使命で現世に下された三匹の妖怪と出会う。不躾で面倒事ばかり引き起こす彼らにももは頭を抱えるが、その日々のなかで心の空白は埋められていき・・・。
港町が舞台で妖怪が出てくる映画とあっては、観ないわけにはいかず。
お話的には、I.G映画としちゃあ何かお行儀良過ぎないかと思わなくもない。
一方で、求めるアニメーターの仕事が空くまで年単位で待って制作したという超緻密で柔らかな作画、「段々畑での昇降機を使ったチェイス」「風雨避けとなって進む百鬼夜行」をはじめとした本当の意味での〝見たことのない光景”など、先鋭さも随所に光る。
何だかんだで最後には泣かされちゃったし、充分に良い映画だった。
・『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』('93)
ご存じ「スーパーマリオ」を原作としたアメリカ(!?)の実写(!?)映画。
ニューヨークで配管工を営むマリオ(メタボ中年)とルイージ(童貞イケメン)。ルイージは化石発掘に心血を注ぐデイジーと出逢い恋に落ちるが、彼女は謎の地下世界へと攫われてしまう。マリオ&ルイージ兄弟が乗り込んだそこは、クッパの支配する恐竜帝国だった・・・。
あらすじの時点で色々とツッコミが止まらないと思いますが、本編はその百倍ツッコミが止まりません。任天堂が直接制作に関わっていないためか、原作ゲームを完全に監督の好き放題のエンタメムービーに魔改造しており、一映画作品として純粋に面白い。それでいて原作の小ネタ、オマージュにあふれていて、どう様変わりしていても確かにこれは「スーパーマリオ」だ、と納得させられる。
二人が「あの衣装」になってぴょーんと飛び出した瞬間なんか、普通に感動しちゃった。
・『BLOOD THE LAST VAMPIRE』('00)
時はベトナム戦争中、日本は横田基地。
人を襲う吸血鬼〝翼手”、ソレを狩る者〝小夜/SAYA”。
戦争と日常の狭間を斬り裂いて、人ならぬ少女は何を見るか。
『BLOOD-C』の前に観たかったけれど、レンタル・中古ショップを回ってようやく探し当てたのは映画観賞後。
観てなるほど、『BLOOD-C』が本作のオマージュ要素もかなり含んでいたことに気づく。地下鉄とか模造刀とか学校潜入とか。
キャラクターもストーリーも開示される情報は最小限に済まされ、ただひたすら血生臭いアクションが進められる。この説明不足感は秀逸だ。ここから『BLOOD』シリーズが広がっていったの分かる。創作に携わる人が観たら、ここに自分なりの物語やテーマを補足させずにはいられなくなるであろう、まさに〝原石”という感じ。
もっと続け、『BLOOD』。
・『トロピックサンダー/史上最低の作戦』('08)
戦争映画を撮るにあたって、出演スターの足並みが揃わないことに業を煮やした監督。役者達をジャングルに放り込んで追い詰めリアルな演技をカメラに収めようとするが、そこには本物の戦場が待っていた・・・。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々。
そんなら限界まで踊り狂ってやんよと言わんばかりに、ハリウッドへの強烈な皮肉と自虐ネタで突き進み、しかし最後にはパロディの域を超えてこれぞ映画というべきカタルシスの釣瓶打ちへ。
こういう自省的な映画が傑作になってるうちはハリウッドは大丈夫だと思う。
・『婚前特急』('11)
OLの池下チエは、親友の結婚を機に、五人の彼氏を「査定」にかけて結婚相手を見定めることに。しかし、一番ランク下の男に別れを告げると「そもそも付き合ってない」と予想外にして痛恨の返事が。憤慨したチエは、その男に復讐しようとするが・・・。
もー、笑った笑った。
何だぁ、日本でも正道のコメディ映画やれるんじゃん。しかもこれは日本ならではの恋愛・結婚問題をからめたコメディ。
兎に角、主演の吉高由里子と浜野謙太の掛け合いがイイ。いや、あの二人が並んでいるだけで笑えてくる。
最後の一室での二人の取っ組み合い、そして「壁破り」で腹抱えて笑い転げた。「フヒャヒャヒャヒャ!」って声あげて。
これは本当に劇場で観たかったなあ、ちくしょう。
続編があるなら、吉高が浜野と結婚後、十人の浮気相手を作ってまたモメる感じで。
しかし、最近「人と人のエゴむき出しのどうにもならない争い」を観るのがたまらなく好きになっている自分に気づいてちょっと引く。
どこぞの鬼畜神父の嗜好がうつったかな?w
・『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOIVE大戦 MEGAMAX』('11)
最新作の仮面ライダーと前作のライダーが共演する映画シリーズ「MOVIE大戦」の三作目。
今作では、フォーゼとオーズに加えて前々作の仮面ライダーW、昭和の仮面ライダー1号~ストロンガーの〝栄光の七人ライダー”も参戦。さらに、40年先の未来からやってきた仮面ライダー、女子高生ライダーまで登場して、まさにMEGA盛りのライダー集合映画。
監督は、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』や『仮面ライダーW AtoZ 運命のガイメモリ』の坂本浩一。
濃厚な内容ながらも、あくまでもフォーゼとオーズのW主演という軸は外していない。前作オーズの最終回後の後日談と、最新作フォーゼの主人公・弦太郎のウブな恋物語。そして両者の世界が交わったクロスオーバーストーリー。
ラスボスとの最終決戦に臨むのはフォーゼとオーズのみで、Wや昭和ライダー達は彼らを援護し、雑魚兵力の露払いに努める。
その戦いの中で、各ライダーの持ち味を魅せた戦闘を専用主題歌に乗せて短時間ながらもはっきりと描く。特に、最新の撮影技術で甦った昭和ライダー達の必殺技には鳥肌。
坂本監督の特撮シリーズへのオマージュ、CG技術と身体性の絶妙なバランス感覚を宿したアクション演出は、『ガイアメモリ』の時よりもさらに洗練されているように感じた。あと、脚フェチっぷりもw(ていうか今作で「脇腹」という新たなフェチが発覚ww)
仮面ライダーWが早くも先輩ライダーの風格を備えはじめ、後輩のオーズとフォーゼを後押しして戦う模様に、改めて、2010年代の新たな仮面ライダーの系譜が始まっていることに感動。
本作で、40年前の過去からまた40年先の未来まで一気に拡張され、ライダーからライダーへと繋がっていく仮面ライダー世界の時空。そう、全てを破壊せずとも、全てを繋ぐことはできる。
自分はこういうライダー集合映画をずっと求めていた。
・『ももへの手紙』('12)
瀬戸内海の港町へ引っ越してきた、父を亡くした母と娘。娘のももは、ある使命で現世に下された三匹の妖怪と出会う。不躾で面倒事ばかり引き起こす彼らにももは頭を抱えるが、その日々のなかで心の空白は埋められていき・・・。
港町が舞台で妖怪が出てくる映画とあっては、観ないわけにはいかず。
お話的には、I.G映画としちゃあ何かお行儀良過ぎないかと思わなくもない。
一方で、求めるアニメーターの仕事が空くまで年単位で待って制作したという超緻密で柔らかな作画、「段々畑での昇降機を使ったチェイス」「風雨避けとなって進む百鬼夜行」をはじめとした本当の意味での〝見たことのない光景”など、先鋭さも随所に光る。
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