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仮面ライダー龍騎

2012.05.07 00:19|特撮
・モンスターと契約して仮面ライダーになってよ☆
『仮面ライダー龍騎』

ryu-1.png

テレビ朝日.2002-2003
監督:田崎竜太ほか 
脚本:小林靖子、井上敏樹ほか 音楽:丸山和範、渡部チェル
特撮監督:佛田洋 プロデュース:白倉伸一郎ほか 
キャスト:須賀貴匡、松田悟志、杉山彩乃ほか


 ~あらすじ~

 謎の男・神埼司郎の創り上げたライダーシステム
 人間が特殊なカードによって鏡の中の世界(ミラーワールド)に潜む魔物・ミラーモンスターと契約することで、その力を身にまとった“仮面ライダー”となる。
 神埼によって選出されるライダーは13人。彼らは互いに殺し合うことを運命づけられ、最後に残った一人のみが、どんな願いでも叶えられるのだという。
 ある者は、愛しい人の命を救うために。ある者は、自分の名誉のために。ある者は、戦いそのものを望み。仮面ライダー達はただ己の願いのために、ミラーワールドで人知れず戦いを繰り広げる。
 そんな世界を目にした城戸真司は、モンスターの脅威から人々を守りそしてライダー同士の争いを止めるために、自らも“仮面ライダー龍騎”となって戦いに身を投じる。
 しかし、そのあまりに純粋で利他的な願いは、過酷な闘争のなかで常に翻弄され続け・・・。

 「戦わなければ生き残れない!」

 ぶつかり合う想い、試される正義。
 真司は己の信念を貫けるのか?
 その戦いの果てに、願いを叶えるのは、誰か―――。

  仮面ライダー龍騎1


   ***


 どこの聖杯戦争やねんという感じの内容ですが、2002-2003年の作品です(え、ていうかもう10年経つの!?)。
 平成仮面ライダーシリーズ第三作。

 主題歌「Life alive」を歌うのは、アニメ『ポケットモンスター』のサトシ役でおなじみ、松本梨香さん。モンスターバトルつながり?(笑)

 
 名曲やでえ・・・。 
 
 『龍騎』は、際立った設定の多い平成ライダーシリーズの中でも、特にインパクトが強く、知名度のある作品です。
 人の願いを叶えるバトルロイヤル、マルチエンディング、ラジカルな群像劇、トレーディングカードゲーム・・・、先行作品のいくつもの魅力的な要素を異色の「仮面ライダー」作品としてまとめあげた本作は、平成ライダーの枠を超えて、後年の特撮・アニメ作品全般に強い影響を及ぼしました。

 近年では、TYPE MOONの『Fate』シリーズや『未来日記』などもその影響下にある作品ですね。
 昨年大人気を博した『魔法少女まどか☆マギカ』も、『龍騎』と類似性を脚本の虚淵玄本人が認めていました。


 このように知名度と影響は随一の作品ながら、「仮面ライダー」としては非常に異端な作品です。
 作中世界の「仮面ライダー」の定義が、それまでのものとはかけ離れているからです。前作『仮面ライダーアギト』や昭和のライダー作品では、一作品に仮面ライダーが複数登場した場合、時として互いを敵とみなして戦うことがありました。また、ショッカーライダーシャドームーンのように、ライダーが悪役となることもありました。
 しかし、基本的には仮面ライダーの存在意義は人々の命と平和を守るためにあり、そのイレギュラーとして仲違いや悪役化があった。

 それが本作『龍騎』では、「仮面ライダー」とは互いに殺し合う者、バトルロワイヤルの一メンバーとしてのみ設定されており、そこには最初から正義も悪もない。彼らが人を守ることがあるとすれば、自分が契約によって従えたミラーモンスターに、他のモンスターを喰わせるためだけ。
 そんな中で、ただ純粋に人を守るために仮面ライダーになって戦う真司はむしろ異端の存在とみなされてしまいます。
 『龍騎』は、それまでの仮面ライダー像を覆す、衝撃的なコンセプトでした。この物語は仮面ライダーとして作る必要はあるのかと苦情が寄せられたほど。


 そして何より、登場する仮面ライダーの人数。前作『アギト』の4人から、一気に13人にまで増えています。中盤に登場する“疑似ライダー”も含めるとさらに増える。
 このバリエーションも人気の一つでした。
 主人公ライダーの物語を追いかける以外にも他のライダーのどれかに感情移入して自分なりの『龍騎』を味わうことができる。

 ryu-2.jpg

 僕としては、主役の龍騎以外で特に印象深かったのは仮面ライダー王蛇/浅倉威ですね。『龍騎』世界では、「利己的で自分の欲望に忠実な奴ほど強い」傾向があるのですが、それに則ると好戦的で破壊衝動の塊である王蛇はまさに最強。容赦なくライダーを追い詰め、殺し、あまつさえ相手の契約したモンスターを奪って自分のモンスターと融合させちゃったりとやりたい放題。平成ライダー界のジョーカー(『バットマン』)ともいうべき、強烈なインパクトを残すキャラクターでした。
 しかし彼の最期をみると、この在り方もまた一つの選択肢でしかなく、絶対的強者ではなかったことが示されていたりして。
 
 他にも、どんな手段を使ってでも“英雄”になろうとしてこのうえなく皮肉な結末を迎えた仮面ライダータイガ/東條悟、真司と同じく戦いの運命に抗った仮面ライダーライア/手塚海之等々、各々魅力的なライダーが次々に登場します。
 
 
 そして、物語の始まりもさることながら、その終わり方も革新的なものでした。
 TVシリーズの放送中に制作・公開された劇場版『仮面ライダー龍騎 EPISODE:FINAL』は、そのタイトルの通り、『龍騎』の最終回を先行して映画として描くという前代未聞の作品です。
 さらに同じくTV放送中の時期にゴールデンタイムのTVスペシャル版として作られた『仮面ライダー龍騎 13RIDERS』は、登場人物の設定やストーリー展開を一部改変して一時間の中で物語の初めから終わりまでを描き、そのラストを視聴者によるリアルタイム投票で選ばせて放送するというこれまた異例の形態をとったものとなりました。

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 そしてTVシリーズ最終回は、「ネタバレ→主人公の真司が最終話の前に死んでしまう←ネタバレ」というやはり衝撃的展開を以って、また難解な謎を残して放映終了しました。

 とまあこんな風に、設定やら物語やら、何から何まで「仮面ライダーもの」としての定石を覆し続けた作品だったといえます。
 また同時に、他者と協調するより自分の欲望や信念のために容赦なく戦う仮面ライダー達の物語が、2002~2003年の世相の雰囲気と符合し時代を切り取ることに成功したのも、本作が現在まで根強い人気を保っている要因の一つでしょう。
 その辺の考察は宇野常寛『ゼロ年代の想像力』に詳しいです(ただ色々とカチンとくる本なのでお気をつけて)。


 しかし、『龍騎』はそうしたギミックや時代感だけでの作品には終わっていません。
 13人のライダーの群像劇ではありながらも、物語の主眼はあくまで主人公・城戸真司の戦いに置かれています。誰もが共通理解としてしている正義や理想などは最早存在せず、ただ己の願いだけを絶対正義としてライダー達が争う世界の中に放り出されても、真司は愚直なまでに人を信頼し、戦うことへの疑問・躊躇いを捨てようとしません。仮面ライダーナイト/秋山蓮に甘い信念を否定され続けながらも彼と絆を育み、他のライダーとも何とか和解・協力しようと奔走します。そしてモンスターから人を守ることには何の迷いも見せず。
 物語が進むごとに新たな仮面ライダーが現れ、龍騎/真司と戦い、時には協力し、裏切り、また各々に因縁や確執を生み、少しずつ自身を変化させ、そして死ぬ時はあまりにもあっけなく死んでいく。ある者は願いを叶えられないまま、ある者は別の何かに満たされて。そして真司は彼らの想いを胸に蓄積していき、嘆き苦しみながらも、最後には一つの答えを導き出します。

 数多の願いとそのための戦いが交錯する物語を真司の純朴な視点から一年にも渡って描き切ったのは、今や特撮ヒーロー界には欠かせない脚本家となった小林靖子女史。アニメでは『ブラスレイター』『灼眼のシャナ』シリーズなど。
 彼女の多人数キャラを自在に捌く卓越した裁量と熱いスピリットあってこそ、『龍騎』は技巧的であっても芯に一本筋を通した、異色にして実は王道の「仮面ライダー」作品足り得たのだと思います。
 その辺り、仮面ライダーとしての定義追究をやり過ぎて、傑作になった一方でヒーロー物としてバランスを崩してしまったのが次作『仮面ライダー555』なわけですが・・・それはまた次回に。


 そんなわけで、平成ライダーシリーズは勿論のこと、00年代から今現在のエンタメ作品を語る上でも外せない一作『仮面ライダー龍騎』、非常におススメです。

 
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テーマ:特撮ヒーロー
ジャンル:テレビ・ラジオ

tag:仮面ライダー龍騎

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