2013年TVアニメ10選

2014.01.21 01:08|アニメランキング
 年明けて半月も経って今更!
 もっとちゃんとまとめたかったのですが、このままだといつまで経っても終わりそうにないので、短評ながらアップします。後からちょっと追記するかも?
 
 特に順位は付けず、放送時期順に並べてあります。
 また、2013年秋放送でも2クール以上で'14年に持ち越しの未完作品は選考外としました(キルラキル、ビルドファイターズなど)。

   ***

#1 『新世界より』

 はるか未来のディストピアの表と裏、そしてのその社会構造を突いて起きるクーデターを、そこに生きる子ども達の成長の節目と同期させて描いている。話のスケールや設定の複雑さは空想の極みでありながら、非常に身近な、等身大の訴求力を備えた物語。
 そして言葉や理屈による世界観構築と同じくらいかそれ以上に、独特のデザインを施されうねうねと不安定に蠢く映像それ自体が、この作品世界の歪さを雄弁に語って止まない。
 そうして全ての要素が噛み合って醸し出される全編に渡ってのもやもやとした不吉な空気感は本当に素晴らしかった。こういう「浸れる」作品は大好きです。
 

#2 『絶園のテンペスト』

「世界の命運をかけたラブコメなのか!?」

 自分のイメージでは、最近のディストピアSFって主人公が管理社会の中枢に辿り着くもののそれを壊すには至らず地道な抵抗への道を選ぶ・・・って結末が多いように感じていて、上記の『新世界より』や『PSYCHO-PASS』などの本作と同時期に放送されていたディストピア作品はまさにそんな話で。そうした傾向のなか、本作はディストピアを成そうとする中枢をストレートに打破する〆を見事にやってのけ、またそこへ持っていくためのトリッキーな構成にも感嘆しきりでした。まあそもそも絶テンをディストピアSFと称するかどうかは意見が分かれるところでしょうが。

 まあそういうジャンル背景はともかく、2クール通じて非常に楽しんで観ていました。SFでありミステリでありラブロマンスであり悲劇であり喜劇であり・・・と要素ごった煮の状態で突き進み、脚本構成は緻密かつ超変化球。主人公二人は本来ならば物語の衆人ポジションだったはずの存在で、ファム・ファタールは既に死亡・・・。よく考えればつくづくヘンなお話で、そんな原作の持ち味を最大限に引き出した作品でした。また、細かなエピソードの取捨選択やオリジナル要素の追加など、アニメ独自の味つけも実に的確で、とても幸福なアニメ化だったと言えるでしょう。


#3 『ジョジョの奇妙な冒険』

 アニメ化としての成功という意味ではまさに本作も同様で。 
 この原作をTVアニメ化にこぎつけただけでも凄いのに、それで反則じみて面白いってんだから。

 公式ラジオでのキャスト・スタッフの語りを聴いてよく分かったけど、執拗な原作のトレースや声優の限界突破な熱演などの力技で押し切る部分と、演出の勘所を見極め時にブレーキをかけるような冷静な部分との両立が非常に上手くいったアニメ化だったのだなと。
 本作の監督&制作スタジオの手掛けた前作が『妖狐×僕SS』だというのもギャップが凄いけど、そのバランス感覚は一貫してるのかも。

 放送後に原作にもハマり、現在第6部(ストーンオーシャン)まで読破しました。ナメクジ化は厭過ぎる。


#4 『ラブライブ!』

 アイマス、アイカツ、プリリズ、etc・・・世はまさにアイドルアニメ時代! その中で唯一ちゃんと全話観た作品。
 クライマックスで主人公から活動の動機が奪われタイトルでもある「ラブライブ」出場もなくなるという、作品の本質に一気に切り込み展開には、やや乱暴ながらもおおっと息を呑みました。
 やたらキレのいい編集やコント的な描写が好みで、その点では第5話「にこ襲来」がマイベスト話数だったかなー。キャラが雨上がりの屋上を踊り出したらまた雨がザーーッとか、最高だったw


#5 『はたらく魔王さま!』

 コメディ部門でなら、いや一作品としてもフツーに年間トップじゃねというくらいの完成度、そのうえでの気楽さ、楽しさ。全部のキャラクターが、全部の話が好きだったなあ。
 日常パートでもアクションパートでも終始同じテンションだったってのは凄いよなあ・・・。


#6 『てーきゅう』

 『あいまいみー』『あいうら』『ミスモノクローム』etc、etc・・・。2013年はショートアニメが多かった。短時間・低コスト制作ならではの内容の瞬発力、視聴する気軽さは独特の魅力がありますね。中でも本作はショートアニメの特性を最大限に発揮した作りだったと思ってます。
 とにかく限界までハイテンポで突拍子もないギャグをぶち込む、猪突猛進な内容。板垣監督自身がアニメスタイルのコラムで述べていた通り、もうほとんどラップみたいな早口台詞。まあショートアニメは往々にしてそういう傾向にありますが、それでも『てーきゅう』の速さ・軽さはその極北でした。それがクセになるんだよなあ・・・。
 2期・3期とあったけど、間を置かず連続で放送されてたから、実質2クールと見るべきなんだろうか? 4期に続け!


#7 『ガッチャマンクラウズ』

 観てる最中、とことん楽しんで考えた作品。作品の色はまるきり違うんだけど、この視聴感覚は何か『UN-GO』を思い出したなあ。
 映像の鮮烈さとか社会的テーマとか、魅力は数え切れないほどあるけれど、自分的には「一ノ瀬はじめ」という主人公像が何よりの核だったかと。弱みどころか内面自体をほぼ見せず、けれど陽気な科白の本当に端っこの部分に欠片ほどの揺らぎを滲ませる。キャラの心情に極力分かり易い説明が求められがちな昨今、作品の主人公をここまで正体不明にするのはかなりの冒険だったはずで、しかしそれに見事成功した本作を惜しみなく讃えたいと思います。
 そういやネット上で「ガッチャマンクラウズ論壇」なんてのが噴き上がっていたけど、どうなったんだろ・・・?


#8 『惡の華』

 ロトスコープとリアルな音響により現実世界の動き・音を徹底的にトレースする描写が、むしろ世界を不気味に異化して見せるという逆説。
 何とも、イヤ気持ちイイ作品でした。

 監督の過去作の『蟲師』にも夢中です。つくづく人の所作や音響にこだわる人なんだなー。


#9 『戦姫絶唱シンフォギアG』

 一期でやり残したテーマを見定めそこに真正面から挑む、続編として非常に真っ当なコンセプトではあったものの、どうも空回ってしまったような、惜しい作品。
 子どもとしては成長しきっているからこそヒーローの本質の問題に切り込んでいく主人公組とただの子どもだからこそアンチヒーローにもなれないマリア組の対比とか、ヒーロー作品としてやろうとしていることは非常に挑戦なんだけど作劇が混乱していってしまった後半がどうにも歯痒かった。
 それでも相変わらずクセになるB級映画的テンションで最後まで魅せられてしまったし、毎回の放送の楽しみでは年間でダントツだったのは間違いないので、10選入りです。制作決定した3期ではどうなるか。

 あと、『ガッチャマンクラウズ』の第5話とこの『シンフォギアG』の第6話で「女の子が衝動的にヒーローとして変身に臨む」というシーンが共通して描かれ、その同時性に個人的に「おおっ」となりました。


#10 『京騒戯画』

 2013年秋クールは、いわゆる「作画アニメ」的な映像快楽が突出した作品がいくつもあったわけですが、中でも自分はこれが特にお気に入りでした。

 トラブルばかり起こすだけで存在意義も失くした「父親」に、それでも「ここにいるだけでいいよ」と諭すラストは、非常に今日的なものがあった。
 作中のそこかしこに神話的モチーフが仕込まれていましたが、多元世界を巻き込む規模の騒動でありながら結局は終始家族の物語だったというのも、まさに古今東西の神話に共通するメソッドだなあという感じ。

   ***

 ここからは部門別マイベストを。

・マイベストOP:WHITE ASH-CROWDS(ガッチャマンクラウズ)

 ジョジョのOPも素晴らしかった神風動画によるハイテンポでグルグル回るOP映像に、WHITE ASHのクールな楽曲もばっちり合致。「これは絶対また観たい、毎週観たい!」と、まずこのOP一発で視聴継続確定したもんなあ。映像終盤で朝日が昇るのには物語テーマにも密接にリンクしていて、そういう作品自体との溶け合いぶりも完璧だった。


・マイベストED:nano.RIPE-月花(はたらく魔王さま!)
   

・マイベストキャラクター:鎖部左門(絶園のテンペスト)

 「私はいつまでこんなことに悩まされるのだ・・・!」

 脇役だけど、作品に絶対必要なキャラクターとしてのかけがえの無さはある意味主人公達以上だったと思うので。
 物語序盤では野望を果たさんとする敵役として必死に頑張り、主人公コンビと対峙すれば彼らの詭弁に狼狽えまくり、2クール目の一変した世界ではますます不条理な状況にさんざん振り回され・・・『絶園のテンペスト』という作品のトリッキーな魅力を、これ以上ないリアクションの数々で120%表現してくれました。この人なくして本作のあの楽しさは得られなかったでしょう。本質的には意思の強い良識人だったのも好感。(原作の後日談だと、彼の良い大人としての側面が多く見られる) 


・マイベスト声優:種田梨沙(新世界より、ゆゆ式 ほか)

 『新世界より』主人公の幼年・少女・大人時代を見事演じ分けてみせた圧巻の器に拍手。一昨年の分だけど1クール目でボーカルを務めたEDも名曲だったし。これでまだ新人だっていうんだから、将来にも超期待。
 あと、作品単位でなら『ジョジョの奇妙な冒険』出演声優一同の熱演に惜しみない賛辞をw

  ***

 はい、まあこんな感じで。
 何か明らかに『絶園のテンペスト』についての文字数が多いなあ・・・w 何だかんだ2013年で一番好きだった作品というとコレになるのかなあ。2012年の1クール目も込みで。

 なんか年々新作の視聴本数が減っていって今年もどうなるやらなのですが、それでも完全にゼロになることは絶対にないだろうなあと確信していたりもするのです。毎期自分にとってビビッと来る作品は必ずありますからね。そんなアニメを見逃さないようにアンテナを張り続けることは怠らないようにしたいものです。できれば、その感想をアウトプットする気概も・・・。

 それではまた。
 
 
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tag:新世界より 絶園のテンペスト ガッチャマンクラウズ

Comment

おお、これはまたバラエティに富んだ・・・なんだかんだ去年も豊作でしたね

どうも自分は絶園を過小評価してる気がして原作追い始めました
思い出すと1クール目はベスト1級で熱狂していたしなぁ
どうしても新世界のほうに感情移入しちゃってたんですが、
言われてみるとたしかに絶園のほうが世界の構造そのものに挑むという
気持ちイイ話だったやも
レンタル見つからなかったのでコツコツ買い集めることになりそうですが、
これ実際揃えたくなるようなコミックスですね パッケージングのセンスが良い

ビルドファイターズは自分がガンダム初心者なことを思い知らされる感じで
見るの先延ばししましたw もっと色んなガンダムを知ってからにしようかなと.
黒田はSEEDのことをおもっきりDISってたんですけど、
見てた範囲では意外とSEEDガンダムを立てるなぁという印象.
今も主人公機ストライクガンダムなのかな?

自分はまだコッペリオン見終えずベスト作れない状態です~いつになるやら
ISとか見てる場合じゃなかった

>ヒノキオさん

コメントありがとうございます。

> おお、これはまたバラエティに富んだ・・・なんだかんだ去年も豊作でしたね

視聴本数少ないわりにジャンルは節操なく観ていた感じです。
自分としてはやはり新世界より・絶園・クラウズの3つがあったのが有難かったです。

> 言われてみるとたしかに絶園のほうが世界の構造そのものに挑むという
> 気持ちイイ話だったやも

ひねりにひねった話なわりに、終わり方は爽快なんですよね。一応「これからが大変」なことは示唆されてはいるのですが。こういう描き方もあるんだ、と嬉しい驚きがありました。
そんなマクロスケールな物語への感銘の一方で、登場人物同士の関係や思惑が忙しなく変わっていく様やシリアスとコメディ紙一重の会話劇など、とにかくその場その場のドラマに魅せられていた記憶があります。そういう楽しさは2013年中随一だったと思うんですよね。

> ビルドファイターズは自分がガンダム初心者なことを思い知らされる感じで
> 見るの先延ばししましたw 
自分も、登場するガンプラやパロネタはほとんど分からないんですがw、W主人公のストーリーが素直に毎回楽しいです。今週の第15話なんか屈指の燃え回だったので、いつか観られることを期待してます。

> 今も主人公機ストライクガンダムなのかな?
改造は重ねてますけど、一応原形はストライクのままですね。
視聴者の子ども世代と大人世代をつなぐ主人公機として、SEEDのものが年代的にちょうどいいとかいう話は聞きますが・・・。

> 自分はまだコッペリオン見終えずベスト作れない状態です~いつになるやら

自分もまだコッペリオン観れてないんですよね・・・。ていうか自分の地域だと放送自体がなかったので、DVDで追っかけてるかたちです。
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