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最近読んだ本①

2011.12.13 00:30|
忙しい時の読書ほど面白いものはないですネー。
最近はファンタジーやSFなど非日常系のジャンルにハマっています。


 

 ・CLAMP『×××HOLiC』1~19巻(完結)

 怪異を視ることができ、その者共を惹きつけてしまう少年・四月一日(ワタヌキ)。彼は「願いが叶う店」の女店主・侑子(ユウコ)と出会う。自分の厄介な体質を治してもらう代わりに、彼は彼女のもとでアルバイトをすることになる。
 「正当な代価を払ってこそ願いが叶えられる」―――
 侑子は店に訪れる人、妖怪、精霊の願いを叶える代わりにそれ相応の代価を受け取る。そのやりとりを四月一日は侑子の傍らで見届けるうちに、自分の在り方、周りの人々との関わりを見つめ直していき・・・。

 淡々としていて、身に沁みて痛切な物語が綴られていきます。
 そして行き着く、どうにも遣る瀬無いラスト。
 それまで読者視点だった四月一日が、最後には限りなく遠くへ行ってしまいます。

 以前にも一回このシリーズを最後まで読んだのですが、何故かその時私は、「最後に登場した百目鬼(ドウメキ)」を「それまで登場してきた百目鬼」と同じだと認識していたんですよね。
 で、他のレビューを読んで「え? 何がそんなに悲しいの?」と不思議に思っていて、改めて最後まで読んでみて「アーッ!」と。
 2年越しの衝撃でした。
 あんなにはっきり科白にも示されていたのに、何で気づかなかったんだろう・・・?

 まあこのラストをどう受け取るかは、四月一日にどこまで感情移入できるかどうかで変わるんでしょうね。遠くから見ればバッド・エンド、近くから見ればハッピー・エンドというか。
こういう終わり方はそれほど珍しいものではないのでしょうが、それでもここまで純化されると、その美しさ残酷さが極限まで際立ちますね。
 ともかく切なく幽けき物語でした。

 そして『BLOOD-C』が余計に空しく思われます。
 

・京極夏彦『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』

 京極夏彦の近未来SF小説『ルー=ガルー 忌避すべき狼』の10年越しの続篇。
 前作では脇役だった律子をメイン視点に、少女達の新たな冒険が始まる。
 託された謎の毒薬。過去を追う元刑事とカウンセラー。狙われた天才少女。そして、終わらない“狼”の物語。
 全てが徹底管理・統制されたはずの情報社会の綻びを裂いて、少女達が垣間見る、“夢魔”の名を冠した人間の妄執のかたちとは―――。

 1000頁近くの長大な物語が、興味を途切れさせることなくあっという間に読めてしまいました。いやー面白かった。
 エンタメ度やスリルでいうと京極作品の中では一番ではないでしょうか。やはり京極夏彦はアドヴェンチャー物もイケると確信。
 前作に次いで是非とも映画化希望。今度はしっかりアクションやってほしいな。

 また、代表作・百鬼夜行シリーズ『邪魅の雫』の時を越えた続篇にもなっていてビックリしました。
 相変わらず京極先生はこういう作品同士のリンクや後への伏線張るのが凄い上手いよなあ。
 だから早く『鵺の碑』書いてくださいよー。


 ・伊藤計劃『虐殺器官』

 9.11から数十年。アメリカ情報軍の特殊部隊員クラヴィス・シェパードに課せられたジョン・ポール暗殺任務。その男は、世界各地で原因不明の“虐殺”を次々に発生させていた。一体どうやって、そしてその目的は?
 彼を追ううちに、シェパードは己の未だ生々しいトラウマと向き合うことになる・・・。
 
 前々から凄い凄いという評判は聞いていて、でも難解そうなので敬遠していたのですが、いざ読んでみると、こんなに読みやすいSFもなく。
 人工筋肉モビールとかインターセプターとかマイクロマシンとか、数々のSFガジェットが出てくるんですけど、全てが物語に必要不可欠なパーツとして機能しているので、全く不自然さを感じませんでした。
 いい意味でSFと思えないほどに、話に馴染んでいるというか。上手いSFはSFと感じさせないんですねえ。

 また、黒沢清の映画『CURE』が元ネタの一つでもあるんだとか。読むとすぐ「なるほどね~」と思いつつ、『CURE』のトリック(?)の一つの解釈にもなっていて非常に面白いです。 
  
 そして作者の伊藤計劃さんは、本作刊行の2年後2009年に、34歳という若さで早逝されています。最後の長編第二作『ハーモニー』も大傑作で、もし次が・・・と思わずにはいられないです。
 今さらですが、心よりご冥福をお祈りします。

 また、伊藤さんがはてなダイアリーの「伊藤計劃:第二位相」で展開していた映画評がまた素晴らしい! 特に『宇宙戦争』や『ダークナイト』をはじめとしたアメリカへの考察が突出していて、なるほどこれがあったから『虐殺器官』が書けたんだなあと。
 伊藤計劃:第二位相 


 ・坂口安吾『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』

 アニメ『UN-GO』が切っ掛けで読み始めた坂口安吾作品。
 物語作品も面白いですが、個人的には彼の思想が日々の暮らしとともに直に語られるエッセイ集の方が気に入りました。特に本書は先月から何度も読み返しています。
 本書は彼の作品集の一つで、『堕落論』をはじめとした坂口安吾の数々のエッセイが収録されています。戦後間もない日本への、安吾の魂の叫びが、今の日本でこそ強く響いてきます。
 安吾は当時の文学者としてはかなり文体の柔らかい方で、エッセイでは特にそれが顕著です。とにかくするする読めて、彼の清濁合わせ呑んだ人間肯定論が、まずエンタテインメントとして普通に滅茶苦茶面白い。
 作品によっては一ぺージにつき三回は爆笑しました。
 また、『青春論』での彼の姪のエピソードではちょっと涙ぐんでしまったり。
 
 いくつか抜粋。
「かの三文文士は、歯痛によって、ついに、クビをくくって死せり。決死の血相、ものすごし。闘気充分なりき。偉大。
 ほめて、くれねえだろうな。誰も。」(『不良少年とキリスト』より)

「たえがたきを忍び、忍びがたきを忍んで、朕の命令に服してくれという。すると国民は泣いて、外ならぬ陛下の命令だから忍びがたいけれども忍んで負けよう、と言う。嘘をつけ! 嘘をつけ! 嘘をつけ!」(※1946年のエッセイです)(『続堕落論』より)

「武蔵野の静かな落日はなくなったが、累々たるバラックの屋根に夕陽が落ち、埃のために晴れた日も曇り、月夜の景観に代ってネオンサインが光っている。ここに我々の実際の生活が魂を下している限り、これが美しくなくて、何であろうか。」(『日本文化私観』より)

 どうです、素晴らしいじゃないですか。


 他・・・
・高橋葉介『夢幻紳士 幻想篇』
・京極夏彦『数えずの井戸』
・山本弘『詩羽のいる街』
・與那覇潤『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』
・宇野常寛『リトル・ピープルの時代』
・時雨沢恵一『キノの旅Ⅸ』
 等々。

 うーん、やはり読書歴は人格や精神年齢をモロに表すなあ・・・。
 もっとピュアな、恋愛小説とかも読もう。
 ていうか洋書をもっと読もう。




 
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tag:虐殺器官 ×××HOLiC ルー=ガルー 堕落論

Comment

ヒノキオ

おぅ、exさんなかなかに読書家ですね

安吾も京極も伊藤さんも積ん読したままだ.
読もう読もう

日本の小説にも慣れなきゃなぁ
どうも入り口のところで
W村上とか石田衣良とか綿矢りさとか、
生理的に合わないものと出会い過ぎてしまって、
苦手意識がぬぐえないです
それ以前に活字が苦手です^^;

しかし『HOLIC』吃驚しましたね
なんであんな終わり方させるのか。。。w
意地悪だなぁ.

BLOODーC、あんなトンデモアニメでも
「また四月一日に会えた」というだけで
ちょっと安心できる作品でもありました

Re: ヒノキオさん

ヒノキオさん、コメント有難うございます。

高校時代は馬鹿みたいに日本の現代小説を読み漁って、そしてほとんど得るものがなかったので(これは自分の感性の問題ですが)、しばらく遠ざかっていたんですけどね。
最近は邦洋含めてちょっとずつ色々読んでいます。

『×××HOLiC』は本当にびっくりして、切なかったです。
でもそうなるべくしてなった感というか、説得力はありました。

『BLOOD-C』の劇場版でも、“彼”の出番はあるのでしょうか・・・。
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江楠

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