コミケ86戦利品:感想
2014.08.19 23:47|本|
結局コミケ3日目も参加してきたですよ。
いやー楽しかった。
というわけで?コミケ86で買ってきた同人誌諸々の個々の感想です。
いやー楽しかった。
というわけで?コミケ86で買ってきた同人誌諸々の個々の感想です。
・『アニバタvol.9 [特集]けいおん!&たまこラブストーリー』
何を況や、自分が寄稿したアニメ評論同人誌。これまで様々な作品シリーズや制作スタジオについての評論をあつかってきたアニバタ、第9弾の今回は『けいおん』!シリーズと『たまこラブストーリー』を特集したものです。
各寄稿への感想はまた改めて個別記事で書くつもりですが、全体的な感想としては、今回もやはりアニバタ代表のたつざわさんの丁寧で指向性のある編集が光っていたなあと思います。数十の寄稿をただ漫然と並べるのではなくテーマや論旨ごとに寄稿が分類されて、パート中の順番もしっかり考えて組まれている。まず読み物としてよく出来ています。
実際、いち寄稿者としても、自分の拙い文章をたつざわさんの編集・校正によって一段読みやすいものへ仕上げてもらえたので、大変感謝しています。
内容としては、特に自分も寄稿した『たまこラブストーリー』についてのものに注目して読んでいるのですが、やはり「回転」のイメージや「バランスポイント」への指摘が多かったなあと。しかしテーマが被っていても各寄稿者のそれらに対するアプローチや価値観の違いが明確にあり、むしろ多様な論考が出揃ったかたちになっています。
とにかく本としてとても面白いものになっているので、『けいおん!』『たまこ』シリーズが好きな方、その感想や評論を求めている方には超おススメの一冊ですよ。
・『絵日記大吟醸7 戦国コレクション特集』
2012年の春・夏クールに放送されたTVアニメ『戦国コレクション』。戦国武将その他の人物を美少女化したソーシャルゲームを原作として、数々の映画・ドラマを題材にした自由奔放なオムニバス・ストーリーを繰り広げた本作はカルト的人気を呼び起し、2年経った今も少なくない人々の心を捉えて離しません。
そんなファンの一人であるらしい呉風さんが制作した同人誌シリーズ『大吟醸』7作目、『戦コレ』のキャラひとりずつのイラストとコメントを収録した、オーソドックスながらもディープな作品愛あふれる本になっています。イラストひとつひとつが、呉風さんの柔らかい絵柄が戦コレののびのびとした作風にマッチしていて、非常に眼福でした。そして何より冒頭に掲載された『戦コレ』ファンの声を集めたWebアンケートがすさまじく濃厚な文章ばかりで圧倒されますね・・・(ていうか自分も投稿してるんだけどネ)
・『鉄路を追って』
現役大学生の、JR全線完全乗車=「乗りつぶし」を目指しての旅の記録。
いわゆるテツでも何でもない自分がふらっと寄ったスペースで失礼ながら適当に選んでかった一冊だったのですが、いや予想外に面白いものだった。
まず、文章が普通に読み易い。というか丁寧なんだなあ。列車の様子や自分の行動が非常に事細かに綴られている。ディティールを愛する鉄道ファンの為せる業なのか、本人特有の文才なのか・・・両方かなあ。それこそ鉄道雑誌のコラムに載っていてもおかしくないようなくらいでした。
本では著者がいかにして乗りつぶしを目指すようになったのかを記したプロローグを経て、大学合格直後の2011年3月初旬に開始した乗りつぶしの思い出に入っていくのですが。精細な記録描写を読み進めるうちに日付が「3月9日」「3月10日」と更新されていって・・・あっと思った時には、そう、3月11日の震災に突入している。幸いというか著者が旅行したのは西日本なのでそのまま旅が続けられているのだけれど、そのことによって、いち青年の旅行記が震災直後の日本各所の点描として機能している。それが著者の淡々としながらも細かく克明な文章で書かれているので、何だか静かな凄みすら。
後の時代ではかなり重要な史料になるのでは?っていうくらいの代物なので、これをGETできた自分の気まぐれを褒めたい気分です。
・『Index of the ruins』
日本各地の廃墟(ruin)の写真集。発行しているサークル(壁サー!)では場所や趣向の異なるものが何冊か頒布されていて、それらをまとめている総集編的なこの一冊をGET。写真のクオリティから構成・配置、装丁まで、さすがのハイクオリティ仕様でした。軍艦島の写真もあったよワーイ。
・『Fani通 2013下半期』
年間に放送されたアニメの感想をまとめた解説本。
百を優に超える作品群に数十人のレビュアーがコメントしているので、とんでもない物量になっています。なにせ文章ぎゅう詰めで300頁に迫る勢いの厚みなので、読破するにはアニバタ以上に時間がかかりそう。
構成協力のたつざわさんをはじめ、アニバタの寄稿陣の名前もちらほら・・・。
・『魔法少女三十路☆マジか 本厄の物語』
『魔法少女まどか☆マギカ』のTV版END後。十数年の時が流れ、ほむらを中心に三十路になったメイン四人の悲哀あふれる生活を描く・・・という、まどマギの二次創作というにはカオス過ぎる何か。もともと著者のまるいはやおさんがツイッターにUPしていた妄想だったのが人気と同志を呼び「#魔三マ」のタグまで作られ、派生に派生を重ねて紙媒体でのストーリーにまで結実したのだから、何とも今日的な作品ですね。
前半ではツイッターでの小ネタ群がまとめられ、後半では著者の書き下ろし短編が収録されていました。まるいさんは元々TYPE-MOONや物語シリーズの二次創作を描き続けてきた方なので、さすがの文章力ですごく楽しく読めました。そして三十路ネタがやたらリアルなのは気のせいか。
作品キャラを現実設定に落とし込んでギャグにするっていう、ある意味で野暮ともとられかねないコンセプトではあるけれど、そこはまるいさんの「明日をも知れぬ魔法少女たちが三十路まで生き延びた、という幸せの部分も伝わってくれていたならと勝手ながら思う次第です。」というツイートが全てかなと思います。
・『コミックマーケット86 カタログ』
厚い! 重い! コミケのしおり。自分は何十もサークルチェックとかしてたわけではなく地図一枚あれば十分だったのでそんなに使う場面はあなかったのですが、「コミケに行った」ということの確かな記念として保管しておこうと思います。記事ページやレポは面白いしね。
***
思い切って参加してみれば実に楽しく過酷でやっぱり楽しく、得るものは多過ぎた初コミケでした。
本当に、買った同人誌については掘り出し物ばかりで。特に『鉄路を追って』を手にできた自分の運はマジで褒められて良いと思うなー。
コミケ終了後のヱインさんとビッツさんとの飲み会についても書きたいことがいっぱいですが、それはまた次回に。
ていうかその前にアニバタの寄稿の個々感想を今度こそね・・・。
何を況や、自分が寄稿したアニメ評論同人誌。これまで様々な作品シリーズや制作スタジオについての評論をあつかってきたアニバタ、第9弾の今回は『けいおん』!シリーズと『たまこラブストーリー』を特集したものです。
各寄稿への感想はまた改めて個別記事で書くつもりですが、全体的な感想としては、今回もやはりアニバタ代表のたつざわさんの丁寧で指向性のある編集が光っていたなあと思います。数十の寄稿をただ漫然と並べるのではなくテーマや論旨ごとに寄稿が分類されて、パート中の順番もしっかり考えて組まれている。まず読み物としてよく出来ています。
実際、いち寄稿者としても、自分の拙い文章をたつざわさんの編集・校正によって一段読みやすいものへ仕上げてもらえたので、大変感謝しています。
内容としては、特に自分も寄稿した『たまこラブストーリー』についてのものに注目して読んでいるのですが、やはり「回転」のイメージや「バランスポイント」への指摘が多かったなあと。しかしテーマが被っていても各寄稿者のそれらに対するアプローチや価値観の違いが明確にあり、むしろ多様な論考が出揃ったかたちになっています。
とにかく本としてとても面白いものになっているので、『けいおん!』『たまこ』シリーズが好きな方、その感想や評論を求めている方には超おススメの一冊ですよ。
・『絵日記大吟醸7 戦国コレクション特集』
2012年の春・夏クールに放送されたTVアニメ『戦国コレクション』。戦国武将その他の人物を美少女化したソーシャルゲームを原作として、数々の映画・ドラマを題材にした自由奔放なオムニバス・ストーリーを繰り広げた本作はカルト的人気を呼び起し、2年経った今も少なくない人々の心を捉えて離しません。
そんなファンの一人であるらしい呉風さんが制作した同人誌シリーズ『大吟醸』7作目、『戦コレ』のキャラひとりずつのイラストとコメントを収録した、オーソドックスながらもディープな作品愛あふれる本になっています。イラストひとつひとつが、呉風さんの柔らかい絵柄が戦コレののびのびとした作風にマッチしていて、非常に眼福でした。そして何より冒頭に掲載された『戦コレ』ファンの声を集めたWebアンケートがすさまじく濃厚な文章ばかりで圧倒されますね・・・(ていうか自分も投稿してるんだけどネ)
・『鉄路を追って』
現役大学生の、JR全線完全乗車=「乗りつぶし」を目指しての旅の記録。
いわゆるテツでも何でもない自分がふらっと寄ったスペースで失礼ながら適当に選んでかった一冊だったのですが、いや予想外に面白いものだった。
まず、文章が普通に読み易い。というか丁寧なんだなあ。列車の様子や自分の行動が非常に事細かに綴られている。ディティールを愛する鉄道ファンの為せる業なのか、本人特有の文才なのか・・・両方かなあ。それこそ鉄道雑誌のコラムに載っていてもおかしくないようなくらいでした。
本では著者がいかにして乗りつぶしを目指すようになったのかを記したプロローグを経て、大学合格直後の2011年3月初旬に開始した乗りつぶしの思い出に入っていくのですが。精細な記録描写を読み進めるうちに日付が「3月9日」「3月10日」と更新されていって・・・あっと思った時には、そう、3月11日の震災に突入している。幸いというか著者が旅行したのは西日本なのでそのまま旅が続けられているのだけれど、そのことによって、いち青年の旅行記が震災直後の日本各所の点描として機能している。それが著者の淡々としながらも細かく克明な文章で書かれているので、何だか静かな凄みすら。
後の時代ではかなり重要な史料になるのでは?っていうくらいの代物なので、これをGETできた自分の気まぐれを褒めたい気分です。
・『Index of the ruins』
日本各地の廃墟(ruin)の写真集。発行しているサークル(壁サー!)では場所や趣向の異なるものが何冊か頒布されていて、それらをまとめている総集編的なこの一冊をGET。写真のクオリティから構成・配置、装丁まで、さすがのハイクオリティ仕様でした。軍艦島の写真もあったよワーイ。
・『Fani通 2013下半期』
年間に放送されたアニメの感想をまとめた解説本。
百を優に超える作品群に数十人のレビュアーがコメントしているので、とんでもない物量になっています。なにせ文章ぎゅう詰めで300頁に迫る勢いの厚みなので、読破するにはアニバタ以上に時間がかかりそう。
構成協力のたつざわさんをはじめ、アニバタの寄稿陣の名前もちらほら・・・。
・『魔法少女三十路☆マジか 本厄の物語』
『魔法少女まどか☆マギカ』のTV版END後。十数年の時が流れ、ほむらを中心に三十路になったメイン四人の悲哀あふれる生活を描く・・・という、まどマギの二次創作というにはカオス過ぎる何か。もともと著者のまるいはやおさんがツイッターにUPしていた妄想だったのが人気と同志を呼び「#魔三マ」のタグまで作られ、派生に派生を重ねて紙媒体でのストーリーにまで結実したのだから、何とも今日的な作品ですね。
前半ではツイッターでの小ネタ群がまとめられ、後半では著者の書き下ろし短編が収録されていました。まるいさんは元々TYPE-MOONや物語シリーズの二次創作を描き続けてきた方なので、さすがの文章力ですごく楽しく読めました。そして三十路ネタがやたらリアルなのは気のせいか。
作品キャラを現実設定に落とし込んでギャグにするっていう、ある意味で野暮ともとられかねないコンセプトではあるけれど、そこはまるいさんの「明日をも知れぬ魔法少女たちが三十路まで生き延びた、という幸せの部分も伝わってくれていたならと勝手ながら思う次第です。」というツイートが全てかなと思います。
・『コミックマーケット86 カタログ』
厚い! 重い! コミケのしおり。自分は何十もサークルチェックとかしてたわけではなく地図一枚あれば十分だったのでそんなに使う場面はあなかったのですが、「コミケに行った」ということの確かな記念として保管しておこうと思います。記事ページやレポは面白いしね。
***
思い切って参加してみれば実に楽しく過酷でやっぱり楽しく、得るものは多過ぎた初コミケでした。
本当に、買った同人誌については掘り出し物ばかりで。特に『鉄路を追って』を手にできた自分の運はマジで褒められて良いと思うなー。
コミケ終了後のヱインさんとビッツさんとの飲み会についても書きたいことがいっぱいですが、それはまた次回に。
ていうかその前にアニバタの寄稿の個々感想を今度こそね・・・。
- 関連記事
スポンサーサイト
tag:アニバタ