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深呼吸の必要――『ガッチャマンクラウズ インサイト』第1話「CONTACT POINT」・感想

 
 insight/インサイト【名詞】洞察(力), 眼識, 見識, 識見

 個人的に今期最注目。
 2013年夏に鮮烈なインパクトを残していった前作『ガッチャマンクラウズ』から2年。
 『ガッチャマンクラウズ インサイト』。
 その作品性は健在で、再び刺激的な始まりとなりました。
 
   ※※※

 新潟県長岡市に暮らす、ごく普通の女子高生、三栖立つばさ。
 ある日、のどかな田園風景広がる彼女の自宅の近くに、正体不明の宇宙船が墜落。
  調査のため、一ノ瀬はじめたち『立川CAGE』のGメンバーがやって来る。
 近隣住民が見守る中、宇宙船から現れたのは、数々の星を平和に導いてきたとされる異星人ゲルサドラ。
 つばさとはじめたちガッチャマン、そして平和の使者ゲルサドラ。この出会いは世界に何をもたらすのか。

 (公式HP第1話あらすじより)

 長岡の女子高生・三栖立つばさと、宇宙人・ゲルサドラ。この二人の新キャラの登場を中心に進められた第1話。
 そのストーリーを軸に、この『インサイト』で新たに描かれようとしているトピックも呈示された。
 それは、主に「空気」と「呼吸」。

 ゲルサドラは、人々の頭上に吹き出しマークのようなものを出現させる。それは各人の感情に呼応してその色や輪郭を変え、その人の心の在り様を視覚化することができる。このゲルサドラ能力やマークの名前は作中ではまだ出てきていないので、とりあえずここでは「心の吹き出し」と呼称しよう。
 誰か・何かに対して皆の気持ちがバラバラであれば心の吹き出しも十人十色であり、気持ちが一つになっていれば黄色や緑に統一される。そしてある人が表情や言葉では皆と同じことを言っていても心の吹き出しは違う色のままだったりと、演出表現として単純に面白い。
 「心の可視化」。それは『ガッチャマンクラウズ』シリーズの大テーマだ。
 前作では、架空のSNS“GALAX”や人々の魂を実体化させる“クラウズ”、悪意を蔓延させる宇宙人ベルクカッツェなどのガジェットによって、事件や人物に対する人々の心を目に見えるかたちで描いてみせた。ただ、それはSNSの文章だったりクラウズの顔面やガッチャンネルのモニターに流れるコメントだったり、言葉で表象された意思、思考がメインだった。
 それが今作『インサイト』では、心の吹き出しという文字が介在しない色・形で表されるギミックによって、より衝動的・流動的な人々の心が可視化されようとしている。
 それは即ち、「空気」だ。

 「クウキ?」
 「あのねゲルちゃん、空気っていうのはね、この星にある・・・(中略)
  みんな一つになって楽しそうになったでしょう? それが良い空気ってこと!」

 
 作中では、つばさをはじめほとんどの人々は「空気」が良い空気であること、皆の気持ちで一つであることを望み、肯定する。
 そしてゲルサドラこそ、人々の心≒空気を目に見えるかたちにする能力は勿論のこと、本来の姿もスモークのような体を外骨格で包んだもので、まさに「空気」の象徴たるキャラクターといえる。
 前作では人々の心の中でも「悪意」がメインテーマであり、敵キャラのカッツェは別の星からやってきた宇宙人であり、そして人々の心に偏在する悪意の象徴であることが最終話で明確になった。このポジションを今作ではゲルサドラが担うとみて良いだろう。

 ゲルサドラは、「みんなバラバラ、悲しい。みんな一つになればいいのに」と、例えばつばさの夢についての話題で場の空気が悪くなった時にそれを明るくするような発言をする等、皆の心・空気を一つにするための言動をしている。それは、単に和平を求めているのとは微妙に違う。行き過ぎれば場の空気を良くする・保つことが目的化して、個々人の心を黙殺してしまう。それを「空気」とは別の呼称で、「同調圧力」「全体主義」という。
 これをふまえてOP(今回も超カッコイイ!)の渦巻く色とりどりな心の吹き出しが全て真っ赤に反転していくカットを見ると何だか空恐ろしいものがある。この「赤」はゲルサドラの赤であり、彼女?が空気の支配者になるという意味なのか、それとも心の吹き出しでまだ出ていていないパターンの赤=おそらくは「怒り」が蔓延していくという意味なのか・・・。
 作中では他にもOPで国会のグラフが赤で塗りつぶされていたり、人々に危害を及ぼす新たなクラウズが赤色だったり、激情にかられて変身したつばさのGスーツのメインカラーが赤だったりと、「赤」に何かしらの危険なイメージが乗せられている。今後も注目していきたい。

 そんな「空気」と並行して描かれているのが「呼吸」だ。
 アバンからはじめと曽祖父が玄関先で朝の深呼吸にはげむ様子が描かれる。曽祖父は「ちゃんと吐け」とはじめに言う。 「空気」を吸って吐き出す、「呼吸」。空気をしっかり自分のものにして息を詰まらせないことを彼は言っている。
 そしてマスコミ陣とつばさの喧噪見てはじめは「ここの空気、おいしいっすね~」と言う。彼女はじめて心の吹き出しを見た時も、どれも違う色をしているそれに対して「みんなバラバラで綺麗っすね~」と言っている。はじめは人々の心の多様性を重視して、皆が思い思いの言動をしている状態をこそ「おいしい空気」だと捉える。
 そんな曽祖父とはじめの心の吹き出しは、他の誰とも違う「灰色」であったことは今後かなり重要な描写になっていく気がする。

  現代人は「速」すぎる 呼吸も浅く早い
  ゆっくり深くが 「僕ら」は苦手だ

  (公式HPイントロダクションより)

 空気へのスタンスの違いから、はじめとゲルサドラは対立することになるのかもしれない(はじめのキャラ的にはっきりそういう事態にはなりにくいとは思うが)。その時、現状では「良い空気」を望み、しかし曽祖父から「深呼吸」を伝授されているつばさはどうするのか?
 そしてそこに“赤クラウズ”を率いる男はどう絡んでくるのか? スマホによる首相の直接選挙制の行方は? 累は再び理想のために動くのか?

 作中のガジェットに「便利で面白いけど、コレ、何かヤバイのでは?」というスリルを感じ、そうした懸念を置いてけぼりにして進行していく状況。
 これこそガッチャマンクラウズの醍醐味であり、続編の第1話として十分にフックのある滑り出しだったと思う。

 
 そして何より、キザ野郎に戻ってる丈さんとチャラ男大学生と化した清音の明日はどっちだ!?
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テーマ:アニメ
ジャンル:アニメ・コミック

tag:ガッチャマンクラウズインサイト

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江楠

Author:江楠
 
東海在住。 

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