『乱歩奇譚 - Game of Laplace - 』第3話「影男」・感想

2015.07.20 17:17|乱歩奇譚
 
 「要らない少女などいない!」
 
 
   ※※※

 狂気的ながらも愉快なロリコン怪盗・影男の立ち回りや、待ってましたと言わんばかりのコバヤシの女装(っていうか女物の服着ただけだよな)、腕は立つけど脆いアケチ。キャラクターの動きをコミカルな方向にも振ってきて、作品の雰囲気にだいぶ幅が出てきた印象の第3話。

 コバヤシの、犯人の狂気を理解できてもその心情の本質には立ち入れない様子は、今話でも一貫している。誘拐された先の住居で、犯人と影男がやり合う様子を手枷に囚われたまま見ているしかない構図が示唆的だ。

 少女を自分の家族にすることを求め、そのためなら対象の少女は誰でも良かった、というワタヌキ。一人の少女を愛し彼女個人としての幸福を願っていた、誰でもない変装の名手の影男。
 第1話~2話の「人間椅子」エピソードでは、ある個人を愛するあまりにその命を奪い自分のものとした犯人が描かれたが、今回ではそんなメンタリティがワタヌキと影男の二人に分割して描かれていたように思う。
 そして、誰でもないはずが、実は愛する少女に変装を見破られ個人としてしっかり認識してもらっていた影男は、「人間椅子」のホシノの悲願とも言うべき在り方なのだろう。 

 事件解決後、影男は現場から姿を消す。
 コバヤシはモブとしてシルエットになっている警官達の中に、涙を流す者・・・おそらくは影男、を見つける。彼はそのままシルエットの群れに紛れていく・・・。影男は自分を自分として見せている時は紙袋を被っているので、袋を脱いで誰かに変装して初めて、涙を流す様子が分かる・・・というのは良い演出だったと思う。
 そして本来、本作でキャラクターがシルエットになっているのは、コバヤシの脳内世界で興味がない・認識外のものとなっていることを示すものだ。しかしコバヤシがその状態のキャラに対して何かを見出したこの描写は、彼の認識に僅かながらの変化が起きたことの表れだろうか。
 
 実際、今回コバヤシは第1話・2話からは一転してその認識・人間性の限界によって話のクライマックスで活躍できなかった。そして今後はおそらくアケチVS二十面相が物語の大きな軸になっていきそうな予感もある。コバヤシが再び主人公としての在り方を強めるには、自分の認識・行動を変容させることが必要なのかもしれない。
 そのきっかけとしての、“影”男への気づき・・・だったように思う。
 
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