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『乱歩奇譚 - Game of Laplace - 』第7話&第8話・感想

2015.08.23 23:28|乱歩奇譚
 「コーヒーは持ってきたんだろうな」
 
 
   ***

・第7話「パノラマ島奇譚(前編)」

・第8話「パノラマ島奇譚(後編)」

 第1話&第2話以来の、前後編エピソード。
 ついにアケチの過去、彼が二十面相に執着する動機が語られた。
 正直、語られた内容とその状況(島から帰ってきてから話していては、折角舞台を移した意味がない)にはあまり興が乗らなかった。むしろ、第7話/前編のラストシーンに白眉があった。
 
 第7話にて、コバヤシ達と別れて単独で事件現場に降り立つアケチの視界では、モブキャラはポーズモデルのような木の人形として現れる。
 コバヤシだけではなく、他のキャラクターにもそれぞれ固有の他者認識が有ることが明かされた。これによって、コバヤシの主人公として特異性はますます薄まってしまうことになるのだが・・・閑話休題。
 巨大なマネキン/人形が乱立するパノラマ島で、アケチ視点での等身大のモブ人形が蠢く様は、乱歩らしい倒錯したビジュアルだ。
 さらにアケチは、脳内にコバヤシをはじめ近しい他者を登場させてその言動を再現することができ、そうして推理を進めていく。
 彼の自己完結性を示す描写だ。しかし、後にコバヤシとハシバが本当にパノラマ島にやってきて、彼らは前述のアケチの脳内世界とほとんど同じことを言ってみせる。

 それと同時に、缶コーヒーを介したアケチとコバヤシのやりとりが描かれる。

「何ですかー!? 聞こえません! あっ、コーヒー持ってきたんです!」

 第1話で、コバヤシはアケチから寄越された缶コーヒーを拒否し、自分の水筒で済ませていた。そんな彼が、今度はアケチのために缶コーヒーを持ってくる。そして、彼らの会話はヘリの音に邪魔されて噛み合っていないというのもミソだ。
 狂気・猟奇に憧れを見出すコバヤシと、自分なりの矜持を以てそれらを打破するアケチ。本来は相容れない二人であり、実際にコミュニケーションはとれていない。それでも互いが互いの言動・思考をエミュレートすることはでき、時としてそのエミュレーションは偶然の一致をみせる。
 コバヤシから放られた缶コーヒーを、見事にキャッチするアケチ――。
 第4話・5話のエピソードで示された作品内の価値観の齟齬が、この缶コーヒーをめぐる一瞬のやりとりにおいては、拙い共存を果たしていた・・・ように思う。


 そして、残すところ3話となった本作。アケチの過去にまつわる話もひと段落して、あとはどのように物語をまとめていくのか?
 第7話での行動や、第8話でのハシバへの問いかけ等、これまでの事件を通して何か思うところはあるらしいコバヤシは、最後にはどう立ち回るのか?
 まだ期待している。


 ※追記
 思考・行動のエミュレーションといえば、本作の「二十面相」こそまさにそれなわけだ。
 今やオリジナルのいない、拡散していくだけの模倣者達。
 それと対をなすというか、全く反対の、狭くてとりとめもない模倣が今回のアケチとコバヤシだった、と。
 
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江楠

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