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秋に落つ――『RWBY VOLUME.3』

2016.11.28 21:06|アニメ
 『RWBY』。
 アメリカ発のオリジナル3DCGアニメシリーズ。2013年に公開された「VOLUME.1」(第1期。以下、vol.~)から始まり、2016年現在は「vol.4」が進行中。
 公式サイト→http://rwby.jp/

 

 去年に「vol.1」を観て本シリーズに一気にハマり、12月の「vol.3」日本語吹替版を待ちきれず先日原語版を観たら、どうしようもないくらい感じ入ってしまった。
 ここにその感想を記しておきたい。
   *** 
 
 まずは、シリーズ全体について。
 人類が魔法と科学を発展させた一方でグリムと呼ばれる化け物が跋扈する架空世界「レムナント」。グリムと戦うためのハンター養成学校を舞台に、そこに通う4人の少女をメインに据えた学園バトルものとして本作の物語は進む。
 アクティヴなキャラクター達がハイテンポな会話で忙しなく行き交う人物配置。ファンタジーであるながら現実の人種問題やコミュニケーション等のテーマを盛り込んだストーリー展開。そしてスピーディーなアクションと多彩な魔法ギミックを活かした縦横無尽のバトル演出。アメリカならではの洋ドラ的展開と日本作品も含めたオタクカルチャーを自家薬籠中のものとしたエンタメ性の融合が本作の魅力である。
 また、本作の映像が3DCGで制作されていることも大事なポイント。ハリウッドのような大予算出資ではないために、そのクオリティは決して高いものではない(日本のMMD作品のような感じ)。けれどそれを補って余りあるアクションの躍動感やキャラの表情付けで、観ていて飽きさせない豊饒な映像に仕上がっている。

 「vol.1」は主人公のルビーがビーコン・アカデミーに入学し、チーム「RWBY」のメンバーとなるワイス、ヤン、ブレイクと出会い、新学期を楽しむ一方で謎の組織と対峙していくようになるまで。「vol.2」では学内パーティや野外教室など学園生活のイベントラッシュの果てに、敵勢力が本格的に表舞台に姿を現すまでが描かれた。

 

 そしてようやく、「vol.3」について。
 初期から作中で示唆されていた学園合同のトーナメントバトル大会がいよいよ開催され、数多のキャラ達がぶつかり合う王道のエンターテインメントなシチュエーションが主軸となる。しかし、それまで明るく楽しい雰囲気が主だった「vol.1」「vol.2」から打って変わって、今回は一気にダークな展開へと突入する。現状4部作となっているシリーズで、まさに起承転結のうちの「転」に当たる章となっている。
 敵勢力は幻覚魔法を使ってヤンを衆目の中で暴挙を働かせ、彼女を窮地に陥れる。一方で、ルビー達とは別チームの女傑ピュラは自身の思わぬ運命と直面することとなる。この二つの苦境を起点に、今まで互いを思いやり助け合ってきたキャラクター達はその絆と自信を揺らがせてしまう。
 そして今回、「秋の乙女」という伝説的存在が物語のキーとなるのだが、作中の季節もまた「秋」を迎えており、要所要所で紅葉がキャラの心情や展開を語るモチーフとなる。それまでの伏線が実りを迎えるかのように表面化し、枝から葉が落ちていくように避けられない別れが生じていく。そして、この「vol.3」が「秋」であることから遡って、出会いと始まりを描いた「vol.1」は「春」であり、そこから各要素をグレードアップさせて盛りを謳歌していた「vol.2」は「夏」であったのだと気づかされる。 

 そして終盤、大会の最中、アカデミーにグリムの群れと過激派レジスタンスの一軍が襲来する。全編にわたってストレスフルな章ではあったが、アカデミーの生徒や教師陣が勢ぞろいして全力を尽くして戦うクライマックスは、やはりしっかりと王道をおさえている。特に、あるキャラクターによって各キャラとこれまでの戦いが再演されるような一幕は、シリーズならではの感慨に満ちていた。
 しかし、その戦いの果てにはある致命的な喪失が幾つも起こってしまう。それはルビー達の側だけに限らず敵勢力もまた予期しない被害を食らい、作中世界がもう後戻りのできない混迷のフェイズに入ったことが示される。
 
 この非情なストーリーは、作品の外部的な状況とも期せずして呼応している。「vol.3」の製作中に、主制作者・監督であるモンティ・オウムが急逝してしまったのだ。本来ならシリーズの中止も危ぶまれる事態だが、残ったスタッフが制作を進め、「vol.3」完成にこぎつけた。オウム氏の不在は、それまでに比べると迫力や精彩を欠いているようなアクション等に確かに響いているように思う。それでもここぞという時のケレン味や全体は暗いながらも個々は人を信じることに懸けるキャラ描写等は、本シリーズの要が失われておらず、オウム氏のエッセンスがスタッフ全体に「継承」されたことの証である。

 アカデミーでの動乱の後、チームRWBYの四人は居所も心もバラバラに引き離されてしまう。誰もが失意に陥る中、ルビーは新たなメンバーと再出発することとなる。
 ラスト、別れの季節だった「秋」を経て、登場人物達が文字通り「冬」の世界へと果敢に歩み出していく光景は、作品内外の状況と相まって、途方もなく眩しい。
 これから『RWBY』の物語がどのような結末を迎えるのかは全く予想がつかない。願わくば、彼女達の再会を、そしてもう一度「春」が巡り来ることを。
 
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テーマ:アニメ
ジャンル:アニメ・コミック

tag:RWBY

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江楠

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