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アジョシ

2012.02.12 23:24|映画感想
 ・傷つく身体、戦うアジョシ(おじさん)達
 『アジョシ』

 ajoshi-1.jpg

 2010.韓国
 監督・脚本:イ・ジョンボム 武術監督:パク・ジョンリュル 音楽:シム・ヒョンジョン
 キャスト:ウォンビン、キム・セロン、タナヨン・ウォンタラクほか


 『映画 けいおん!』観た直後にコレ観て大興奮してるのは、わりとどうかしてると思いつつ。
 それでも面白いんだもん、血圧上がりますよ。

   *** 


 兎に角、何をおいてもまずウォンビンの肉体と殺陣が尋常じゃない。キレキレです。
 いくら兵役を経たからといって、相当に自分を苛め抜かなきゃあそこまでの肉体は作り出せない。イケメンスターが、っていう異化効果を抜きしても余りある本気度。

 イケメンスターが本格アクションというコンセプトは、日本では『SP』がありました。岡田准一がSPとしてテロリスト達と渡り合う、邦画アクションとしては一級品のもの。
 しかしあの劇場版には、「役者の顔に傷を付けられなかった」という致命的な欠陥があった。
 凄まじいアクションやリアルに殴り合う描写を重ねても、顔を腫らすどころかすり傷一つ映さなかった。そんなんじゃ、いくらアクションが素晴らしくてもその身体性に何も説得力が生まれない。ちょこっと偽物の傷を作って見せるだけでも良かったのに。
 ジャニーズ事務所の都合だか何だか知らないけど、岡田准一の本気と誠意に報いることができなかったのはやっぱり駄目だよなあ。

 ひるがえって本作『アジョシ』では、ウォンビンの身体に平気の平差で切り傷やら打撲やら銃創やらを刻みつけまくり、血にまみれさせ、彼の激しくもスタイリッシュなアクションを相乗的に高次元へと押し上げています。身体に実在感をもたせてこそ、そのアクションが活きる。モジャモジャのうっとうしい髪形からバリカンで短髪に刈り込み、いざ本気の本気で戦闘開始、っていうくだりはまさにその象徴ですね。
 この方がファンにもよっぽど魅力的でしょう。

 あと、ナイフアクション。
 いくらカットで割っているとはいえ、ワンカットごとのナイフ捌きが俊敏かつ複雑過ぎて、本当に目にも止まらなかった。
 『けいおん!』の後に観たせいか音にも敏感になっていたのですが、本作のナイフアクションの音響もすごく良かった。しゅりんしゅりん、ずぱっ、ぶしッッ、しゅりんしゅりんしゅりん、といった具合に、空気を裂いて刃物を振るってる感じがリアルに伝わってきた。ナイフとナイフが噛み合ってぎちぎち軋む音とかも素晴らしかった。


 ストーリーにもふれておくと、本作のタイトルである“アジョシ”とは韓国語で“おじさん”という意味で、少女ソミ(キム・セロン)は隣に住む質屋のテシク(ウォンビン)をアジョシと呼んで慕っています。テシクも彼女をちょっと邪険に扱いつつも大切に思っていました。
 しかしある日、ソミの母親がヤクザと起こしたトラブルでソミが連れ去られ、テシクは封印していた過去と殺人術を以て、この世の非情にひとり挑むことに。
 そんなお話。

 でも、ソミがアジョシと呼ぶのはテシクだけではないんですね。自分を連れ去った殺し屋達のこともアジョシと呼んで、優しく接している。特にそのうち一人はテシクと同じようにソミに情が移り、しかしラスボスとしてテシクと陰惨極まる殺し合いを繰り広げることになります。
 本作は、無垢な少女と対比させられた、血で汚れまくった戦うアジョシ(おじさん)達の物語なわけですね。

 主人公のマスクは魅力的で殺陣もめっちゃ格好イイんだけど、同時に戦えば戦うほど物悲しくもあるというのは、近年ではタイの『チョコレート・ファイター』にも通じるところでしょうか。


 それにしても、『母なる証明』の純真無垢(?)なひとり息子、そして本作『アジョシ』の哀愁漂う殺戮マシーンと、兵役復帰後のウォンビンのフィルモグラフィは何だかとんでもないことになってますねえ。あと五年後、十年後にはもっと味の出た良い俳優になっていることでしょう。
 そうした役者の成長を後押しできる、刺激溢れる映画を生み出せる韓国映画界の先鋭さ、懐の深さに嫉妬。
 あと観客の見る目にも(本作が韓国の2010年度興収ナンバーワン!)

 表向きはベタベタの純愛映画群で日本に売り出しておきながら、薄皮一枚めくれば煮えたぎるような愛憎と殺戮の暴力映画がひしめいていて、世界の映画賞を荒らし回っているという韓国映画界の構図が魅力的過ぎる。
 色々アップダウンもありつつも、00年代からの躍進は今も続いていますね。


 本作は、悲しい過去を背負った男が、女の子のためにたった一度だけ戦士に復帰するというストーリーの一回性あってこそのものなので、続編を観たいとは決して思わない。
 けれどウォンビンにはまた是非とも本格アクションに挑んでほしいと思います。いっそ、『SP』の続編に韓国からのテロリスト役で出演して岡田君とアクション対決、なんてどうですか? いやマジで。

 ajyosi2.jpg


   ***


 ちなみに本作はなにげに15禁になっていますが、これは単に映画の縛りをなくすためだけじゃなくて、冗談抜きでグロいシーンがけっこうふんだんにあります。終盤にはコレ18禁だろ!ってレベルの描写があり、それに対してあの「種明かし」がなかったらブチ切れてるとこでした。
 ただグロいってだけならまだしも、子どもが酷い目に遭うってのはね・・・。

 あと、子役のキム・セロン、パないの!

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テーマ:韓国映画
ジャンル:映画

tag:アジョシ ウォンビン

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