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『ガメラ』平成三部作

2012.02.25 01:03|特撮
 ・仰ぎ見る90年代の虚影
『ガメラ』平成三部作

gmr3-5.jpg ガメラ1-1

gmr2-2.jpg gmr3-4.png


 90年代とは何ぞや。

 大学の卒研テーマに「1990年~1999年までの思想文化史」を据えて(具体的な考察内容は分野をもうちょい絞っていて色々ややこしいのですが)、その時代の端的な文化表現を探している今日のこの頃。

 その一環として、90年代の邦画を色々観直しています。
 中でも注目しているのが『ガメラ』平成三部作。
 1995年『ガメラ 大怪獣空中決戦』、1996年『ガメラ2 レギオン襲来』、1999年『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』の三本からなり、迫力あふれる怪獣描写にリアリスティックな設定、社会反応、防衛作戦を盛り込んだ、ファンから未だ根強い人気を誇る90年代特撮の金字塔。
 監督:金子修介×脚本:伊藤和典×特技:樋口真嗣の黄金トリオで描かれています。

 このシリーズが、90年代をなかなかよく映してるんじゃないかなーと。研究テーマの詳しい分野とは被らないので、使うとしてもあくまで参考程度ですが。
 まあそれは置いといて、普通にめっちゃ面白いんで、一日であっという間に三本全て観ちゃいました。

 一作ごとの映画レビューや考察はいずれ書くとして、本記事では各作品のだいたいの雑感などをまず述べておこうと思います。


   ***


 『ガメラ 大怪獣空中決戦』

 gmr1-2.jpg

 15年ぶりの『ガメラ』にして、平成ガメラ第一作。
 まずは、王道の怪獣映画を作ったんだなあという印象。それでも、平成ガメラの特色である怪獣と防衛の関係のリアルシミュレーションは存分に発揮されています。

 九州の小島から怪鳥・ギャオスが出現。超古代文明が遺したソレは、人を喰らい、瞬く間に数を増やしていく。鳥類学者の分析や自衛隊の迎撃も虚しく、ギャオスは本土に襲来し、折れた東京タワーに座を据える。最後の希望は、同じく古代文明が遺した亀を模した生物兵器・ガメラ。少女の祈りは届くのか。 

「超古代文明も、迷惑なものを遺してくれたよ」
「私達もとんでもないものを残そうとしているわ。例えばプルトニウム。・・・半減期が確か」
「プルトニウム239。2万4千年だ。確かに、何万年、何十万年も残るわけだ」
「私達だってそういうものを作り出しているんだもの。今の文明も滅ぼうとしてるのかもしれない」
「待ってくれ。奴らは滅んだ。けど俺達は生きてる」
「退廃してても、滅ぼしたくないわ」
「・・・滅んでたまるか」

 劇中での会話が、今となってはますます耳が痛い。

 また、ガメラと心通わす少女を演じた藤谷文子さんがセガールの娘で、最近では『熱海の捜査官』の敷島先生役だったと知ってびっくり。印象に残る眼差しですね。


 『ガメラ2 レギオン襲来』

 gmr2-3.jpg

 宇宙より飛来した群体生物・レギオン。草体の花が咲く時、危機が始まる。再び現れたガメラはレギオンに挑むが、その物量と行動範囲に苦戦する。自衛隊の総力をあげた猛攻、科学者の機知、ガメラの地球守護の意思が交錯する時、奇跡の共闘は成るか。

 ガメラも凄いが、自衛隊描写も半端ない。レギオン殲滅作戦は、たぶん上層部から現地人員まですべての思考・行動を創り上げて描いているんだろうなあ。加えて、社会全体の動向も精密にして説得力大。これぞリアル・シミュレーション!

 登場人物は、吹越満の理系男子ぶりがハマりまくっていたのと、師団長が大変格好良かったです。また、水野美紀の、「ガメラは地球の味方であって人間の味方じゃないのでは」という捉え方が、なんともいい具合にドライで良い。

 戦争やりたい政治家さんは、これを観て創作物の中だけで満足してくれないかな?


 『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』

 gmr3-6.jpg

 ガメラがレギオンを撃破するために地球の“マナ”が消費された結果、世界のバランスが崩れ、各地でギャオスが発生していた。ガメラ排除に傾く世論。そして一人の少女が燻らせていたガメラへの憎しみが、ギャオス異種の幼体を未曽有の存在“イリス”へと進化させる。京都にて、終末の火があがる・・・。 

 1、2とは明らかに雰囲気が違う本作。
 ガメラと人間とのリンクは切れ、ソレが大被害をもたらす怪獣であることが改めて強調される。そして世界の終わり、怒り・憎しみ・嫉妬といった人の負の感情、倒錯した人と怪獣との交わりがクローズアップされる。
 (今より遥かに劣るはずの)CGの超絶技巧、京都駅ビルでのド迫力の怪獣決戦の描写によって1、2以上の熱さ、エネルギッシュさがあるにもかかわらず、それでも補い切れない、何か致命的に均衡を逸した破滅の予兆が作品全体に満ち充ちている。
 何だろうこの、“作り手が時代に衝き動かされてる感”。これはリアルタイムで観たかった・・・っていうか、観てるはずなんだよなあ。何で覚えてないんだ?

 とりあえず、京都駅屋内での戦闘➝ガメラ、右腕串刺しにされて身動きとれず➝イリスのコピー・プラズマ火球➝右腕を自ら滅却➝火球受け止めてバーニングフィストォオオオ!!!の流れには最高に燃えた。


   ***


 簡単な感想としては今のところこんな感じですかね。
 一作品としての完成度なら『2』が最高、出来の良し悪しを超えたエモーションと時代性なら『3』が好き。
 いずれは、ちゃんとしたレビューを。

 また、2006年の田崎竜太監督『小さき勇者たち ~ガメラ~』も視聴予定。こちらは我が地元の名古屋が物語の舞台の一つなので、違った意味で楽しみ。名古屋が舞台の映画って結構少ないんだよね・・・。


 ちなみに、『ガメラ』平成三部作、特に『ガメラ2 レギオン襲来』が好きな人には、2000~2001年の平成ライダー第一作『仮面ライダークウガ』を是非おススメします。
 ガメラを仮面ライダー、ギャオスを怪人集団、自衛隊を警察に置き換えたのが本作といっていい。仮面ライダークウガが警察と共闘して、古代の秘密を解きつつ、怪人・グロンギ達を緻密にして臨機応変な戦略・戦術で以って倒していく様が描かれます。
 ある意味、平成『ガメラ』のVS人外リアルシミュレーションが約25分×49回分観られるということ。パないの!

 クウガ1

  
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テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル:映画

tag:ガメラ ギャオス レギオン イリス

Comment

こんにちは、平成ガメラは私も大好きです。

ガメラ3って、あれは世紀末思想を表現したからああなったんですね。今頃気付きました(笑)

確かに展開の熱さやシナリオの完成度が高さから傑作と評価できるのは2なんですけど、渋谷壊滅やイリス飛翔シーンの映像的なインパクトが強すぎて3の方が印象に残ってるんですよね。あれは劇場で観られてよかったなー。

ガメラに見る90年代の文化的考察、楽しみにしてます。

仮面ライダーはさっぱりなのですが、いわゆるグロンギ語の元ネタなのでしょうか? 方々で目にするネタなので意味は分からずとも印象に残ってました。

ヒーローと警察との連携が見られるというのは興味深いですね。フィクションの世界では往々にして後者が無能扱いされることが多いですから。観たい物リストに追加しておきます。

>ぽんずさん

コメントありがとうございます。

> ガメラ3って、あれは世紀末思想を表現したからああなったんですね。今頃気付きました(笑)

1,2,3と連続して観ると、3の異様な終末的イメージにギョッとなりました。99年ですから、そういう雰囲気も最高潮だったんでしょうね。
劇場で観られた記憶があるのは羨ましいですねえ。
どこかでイベント上映やってないかな・・・。

> 仮面ライダーはさっぱりなのですが、いわゆるグロンギ語の元ネタなのでしょうか? 

そうです。怪人集団のグロンギが使う言語が「グロンギ語」で、この作品のためだけに一から創作されたものです。放映当時は字幕もつけずに役者に喋らせていて。他にも、古代文字の造形も徹底していました。
設定の凝りようが完全に頭おかしいレベルにまでイっちゃってた作品でしたw

>フィクションの世界では往々にして後者が無能扱いされることが多いですから。

ですね。『クウガ』ではバリバリ活躍しますよ! しかも警察はほとんど特殊な兵器を使わず、現実的な装備で戦っていたのもグッドでした。

昨日『ガメラ3』予告をすげえ久しぶりに再見して、
完全に心が20世紀にタイムスリップして困りました.

大人になったつもりでも
アイテム1つで簡単に10年の月日なんて消え去るなぁと.
年老いてもアニメのOP見るだけで精神年齢取り戻せる気がしますw

庵野監督によるドキュメント「GAMERA1999」とセットで印象的でした.

スワロウテイルやら河童やら平成ガメラやら双生児やら呪縛やらリングやら、
メジャーシーンから急にこういう映画が現れてしまう状況っていうものが
もう1度訪れて欲しいです

プルトニウムにまつわる台詞凄いですね
伊藤さん、この頃の切れ味はどこに・・・

パトレイバー続編やんないかなぁと今でも時々思いますw

>ヒノキオさん

コメントありがとうございます。

> メジャーシーンから急にこういう映画が現れてしまう状況っていうものが
> もう1度訪れて欲しいです

最近の邦画だと安牌な企画が多くて、今ひとつ突き抜けたものがない感じですね・・・
というか、インディーズにはあるんだろうけど、それがメジャーにならないというか。

ヒノキオさんが自ブログでも仰った通り、文化の細分化というのも90年代文化史の大きなテーマの一つですね。
国(世界)全体での“成長”はバブル破綻で終わったけど、“終末”ならばまだ信じられた時代。
その象徴が平成ガメラ、特に『ガメラ3』だったのかなーなんて。

ゴジラが『FINAL WARS』なんてやっちゃった今、一応終わりは明言されていない『ガメラ』が日本怪獣映画の最後の希望ですが・・・

> パトレイバー続編やんないかなぁと今でも時々思いますw

僕も、心のどこかで期待しています。
まだいくらでもやりようあると思うんですけどね。
押井監督は『3・11の未来』の寄稿文の中で、今のような世の中じゃ『パト2』的なものは意味を成さない、なんて言っちゃってましたけど。

江楠さま、はじめまして。

 突然コメントを差し上げ、誠に恐れ入ります。
ごめんください。 私は、「ガメラ医師のBlog」管理人のガメラ医師と申します。映画ガメラに関する情報収集Blogを更新しており、こちらの記事には「ガメラ」の検索から参りました。
 拙Blogでは従来より、平成ガメラ三部作に言及された記事情報をまとめておりまして、この度3月2日付けの更新、
「ガメラ:平成(金子)版視聴記など 2012/03/02」
中にて、こちらの記事「平成ガメラ3作の概観と感想」を紹介させて頂きましたので、ご挨拶に参上した次第です。差し支えなければ拙Blogもご笑覧頂ければ幸いです。
 長文ご無礼致しました。それではこれにて失礼します。

>ガメラ医師さん

ガメラ医師さん、はじめまして。
返信遅れてしまって申し訳ありません。

当記事を貴ブログサイトでとりあげていただき、誠にありがとうございます。
ブログ拝見しました。
ガメラの情報をまとめるブログとのことで、他の方のガメラ感想なども多く紹介されていて、私のような新参ガメラファンにとっては大変有難いものです。
これからもちょくちょく訪問させていただきます。

当ブログでは、これからガメラ平成三部作と田崎版ガメラについてのレビュー記事を予定しております。その時にはまたご覧になってくださると嬉しい限りです。

ではまた、気軽にお越しください。
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プロフィール

江楠

Author:江楠
 
東海在住。 

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