スポンサーサイト

--.--.-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ドラゴン・タトゥーの女

2012.05.25 21:11|映画感想
・超クールだよ!
『ドラゴン・タトゥーの女』

 images.jpg 

 2012.ソニーピクチャーズ(日本配給)
 原作:スティーグ・ラーソン
 監督:デヴィッド・フィンチャー
 脚本:スティーヴン・ザイリアン 音楽:トレント・レズナー、アッティカス・ロス
 撮影:ジェフ・クローネンフェス 編集:カーク・バクスター、アンガス・ウォール
 キャスト:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマーほか


 予告編以外はほぼ何も情報を仕入れないで、レイトショーで鑑賞。
 
 何よりもまずオープニングの格好良さにド肝を抜かれる。
 「移民の歌」が鳴り響くメタリックな映像世界のなかで、人が、花が虫が、機器が、絶えずぶつかり繋がり流転していく。滅茶苦茶格好良い。

 そして本編内容はといえば、映画として非常にテキパキしていると感じた。
 何から何まで徹底的に淀みない。無駄のない映像と科白と音楽でしかし膨大な情報が語られ、たぶん3回繰り返し観てやっと細部までの全容が把握できるかどうかというところか。
 アカデミー編集賞も納得の、恐ろしいまでにスマートな場面と場面の繋ぎ方。カットが変わる時に音と映像を微妙にずらすという演出を、最初から最後までごく自然に貫徹している(たとえば、人が何か動作をした時、その音が発せられた瞬間には次のシーンの動作につなげられている)
 二時間半の長尺、超高密度な情報量、そのハードさを補って余りある本当の意味での「観易さ」。だから、この映画は観客に「何一つ見逃すな、聞き洩らすな」と迫ってくる。

 そして、鮮烈なヒロイン、リズベット。
 オリジナル(スウェーデン版)でノオミ・ラパスが演じた剛毅なリズベットに比べ、本作でルーニー・マーラが演じるリズベットは、はっきり小柄・細身で、悲壮な雰囲気が全面に出て、いっそキュートな印象さえ与えるキャラクターとなっている。
 映画単体で見れば十分にタフネスでエキセントリックなところを、オリジナル版とのギャップを最大限に利用した造形だ。
 そこに乗じてかどうかしらないが、本作ではミカエルが滞在するロッジに、オリジナルではいない猫も登場していて、これまた可愛い。 


 こんな風に、本作はスタイリッシュかつキャッチーな外見であるが、中核の物語テーマはやはり原作通りに切なく生臭い。
 宗教的因習、歴史の負の遺産、人間の抱える異常嗜好、傲慢。ガジェットがあちらこちらに散りばめられている。
 そもそも本作のスウェーデン原題は、『Män som hatar kvinnor』/『女を憎む男達』だ。
 そしてリズベットの恋は、ラストにて徒労と切なさとともに(一旦は)終わりを迎えることになる。

 それでも、物語の途上で、リズベットは情報を求めて奔走する。惚れた男に報いるために、事件のおぞましい闇を破壊するために、獣の嘶きのようなエンジン音とともにリズベットの黒バイクが凍てつくスウェーデンの地を駆け抜ける。
 その瞬間には、物語全体の重苦しさをも凌駕する爽快なカタルシスが確かに存在していた。
 
 クライマックスではリズベットと真犯人のカーチェイスが描かれ、そのシーンのスリルはやはり気持ちが良い。
 しかしその結末として、リズベットは事件に決着をつける代わりに自分の忌まわしい過去の再現のような光景に向き合うことになる。
 これは、ラストの彼女の恋の顛末よりも一層苦々しいものだったのかもしれない(ここはスウェーデン版の方が丹念に描かれていた)。

 過去的な意味でも現在的な意味でもリズベットは報われず、そして物語は第二作へと続く。
 リズベットは再びこの世の闇を振り切るために黒バイクを駆るのだろうか。


 何はともあれ、非常に格好良く、切なさも含み、重層的な映画だったなと感じる。


   ***
 

 で、これは日本の上映規制の問題なんだけど。
 猫の惨殺死体を鮮明な映像に何も規制をかけず、リズベットとミカエルのセックスシーンに下品なモザイクかけるっていうのは、それこそどういう倫理感覚だよ。
 映倫ったらサイテーね!
 
関連記事
スポンサーサイト

テーマ:映画レビュー
ジャンル:映画

tag:ドラゴン・タトゥーの女

Comment

非公開コメント

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

『ドラゴン・タトゥーの女』お薦め映画

オリジナルと互角の面白さであった。全体的な印象として、艶っぽい。ラストの印象も違っていて、オリジナルでは温かみを感じたし、リメイクでは甘酸っぱさを感じた。いずれにしろ甲...
| 2017.07 |
-
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

江楠

Author:江楠
 
東海在住。 

コメント・TB・リンク歓迎です。

・好きな映画・アニメ
ホット・ファズ、晩春、妖怪百物語、ゾイド、ハガレン、ガッチャマンクラウズ など

・好きな漫画・小説
夢幻紳士シリーズ、修羅の刻、京極堂シリーズ、THE END OF ARCADIA など

ブログパーツ

Twitter

カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

最新コメント

最新トラックバック

FC2カウンタ

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム

QRコード

QR

ページtopへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。